ミニ・レビュー
このプログラムを見たら、猛烈なスピードとダイナミックさを期待するかもしれないが、これはまったく違う。これほど曲ごとの意味を自らに問いかけた「展覧会の絵」はほかに知らない。「ヴィドロ」で消えていくピアノの余韻に彼女は何を思っているのだろうか。続く「プロムナード」のピアニッシモ。深い心の襞が見える。
ガイドコメント
グルジア出身の美しきピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリの新作アルバムは「展覧会の絵」「ラ・ヴァルス」「ペトルーシュカ」を収録した一枚。巨大管弦楽ヴァージョンをも凌駕する色彩的なピアニズムが、万華鏡のごとき世界を描出している。
収録曲
01組曲「展覧会の絵」 (ムソルグスキー)
02ラ・ヴァルス (ラヴェル)
03「ペトルーシュカ」からの三楽章 (ストラヴィンスキー)