[Disc 1]
01僕の贈りもの
1973年にオフコース名義で発表された楽曲のカヴァー。“少しだけ中途半端”な春と秋に、人を好きになったり隙間ができたり……という詞的な表現が見事。杉並児童合唱団や山本潤子との掛け合い風のヴォーカルもユニークで、心が温かくなるようなサウンドを引き立てている。
02眠れぬ夜
オフコースがオリジナル、西城秀樹らもカヴァーしヒットを記録した楽曲。アコースティック・ギターやストリングスを中心としたシンプルなサウンドをバックに、愛のある日々をじんわりと振り返る。JUJU、松たか子らがコーラスとして参加。
03秋の気配
嘘でもいいから微笑むふりをして……自らの心が離れていってしまうなか、やや身勝手とも思える言葉を、優しく温かく囁くように歌い上げたミディアム・バラード。大人っぽいキレイなアレンジが心地よい。1977年に発表されたオフコースの楽曲のカヴァー。
04夏の終り
1978年にオフコースとして発表した楽曲のカヴァーで、ピアノをフィーチャーしたしっとりしたバラード。夏は冬に憧れて、冬は夏に帰りたい。輝いてみえる過去の時間や思い出を季節の移ろいにたとえ、どこか達観したような姿勢で思い返す姿に胸が詰まる。
05愛を止めないで
オフコースとして1979年にリリース、2016年にもドラマ主題歌に起用されるなど長きにわたって愛される名曲のカヴァー。ドラマティックなバンド・サウンドをバックに、深く力強い愛の力を歌い上げる。強く頭に残るサビは秀逸。
06さよなら
大ヒットを記録したオフコースの代表曲のカヴァー。ギターの佐橋佳幸、ベースのネイザン・イーストら辣腕を迎え、最低限の音数とやや浮遊感のあるコードワークで進行。“さよなら さよなら〜”という鮮烈なサビのフレーズを完璧に彩っている。
07生まれ来る子供たちのために
『Three and Two』からのシングルカットとして80年にリリースされたオフコースの楽曲のカヴァー。生まれ来る子供たちのために何を語るべきか。歌を真ん中に据えた控えめなサウンドのなか、現状をしっかりと見つめながら、希望のメッセージを歌う。
08Yes-No
1980年に発表されたオフコースのナンバーのカヴァーで、幻想的な雰囲気をたたえたイントロであがる歓声や拍手も収められたライヴテイク。爽やかながら、どこか陰鬱とした雰囲気をもったサウンドだが、“君を抱いていいの〜”というサビのフレーズの爽快感は抜群。
09時に愛は
オフコースの20枚目のシングルとして発表された楽曲のカヴァー。情熱的なギターのイントロに導かれるように、“愛”について歌ったバラード。ライヴテイクを使用しており、エモーショナルなメロディが映えるサビの迫力は見事。
10心はなれて
ふたりで追いかけた青い日々がこぼれていく……タイトルが示すように“心がはなれて”しまったあと、ともに過ごした日々を優しく見つめ返すバラード。金原千恵子ストリングスとピアノによるサウンドが温かく響く。1981年にオフコースとして発表された楽曲のカヴァー。
11言葉にできない
CMソングとしてもおなじみの名バラード。ピアノによる導入からストリングス、そしてバンドが加わるドラマティックなアレンジもさることながら、“言葉にできない”思いを歌に託した手腕はさすがのひと言。原曲は1982年にオフコースとして発表。
12I LOVE YOU
オフコース21枚目のシングルとして発表された楽曲のカヴァー。シンプルなタイトルのとおり、まっすぐに愛を伝えるラヴ・ソングだが、歌のパートは控えめ。そのぶん、パーカッションやハープも配した繊細なアンサンブルで、思いを見事に具現化している。
13YES-YES-YES
1982年にオフコースが発表した楽曲のカヴァー。“君が思うより僕は君が好き”という冒頭から、直接的な言葉を用いながら愛を歌い上げるミディアム・バラード。松たか子、スターダストレビューら豪華コーラス陣とともに歌い上げるラストのサビのリフレインは感動的。
14緑の日々
1984年に発表されたオフコースの楽曲のカヴァー。繊細なコーラスワークで魅せるイントロから、シンセなどを効果的に配したサウンドはどこか不穏な雰囲気を作るが、歌われるのは君と生きていく未来への決意。フッと広がるサビとのコントラストが印象的。
15たそがれ
ワンフレーズ、ひと言ごとに区切ったようなサビのメロディが印象的なバラード。ストリングスなどを取り入れながらも音数を控えめにした大人なアレンジも見事で、“愛はたそがれ すべては夢うつつ”というどこか諦めたようなフレーズが染みる。オフコースの原曲は1985年発表。
16君住む街へ
オフコースの34枚目となるシングルのカヴァー。歌をうたうことを描いた、自身の心境をそのまま言葉にしたような歌詞が中心となっており、“その手で心を閉じないで”“ひとりと思わないで”など、温かな言葉をじんわりと歌い上げる。
[Disc 2]
01哀しみを、そのまゝ
小田自身のコーラスを幾重にも重ねたア・カペラの楽曲。柔らかでスッと伸びる声の魅力が前面に出ており、大切な人に向けた真っ直ぐな言葉の数々もダイレクトに耳に入ってくる。ラストの“僕は君を幸せにするだろう”という力強い決意に心が温まる。
02between the word&the heart-言葉と心-
テレビ朝日系の長寿番組『渡辺篤史の建もの探訪』のテーマ曲として知られる2分弱の短尺曲。シンプルなアコギのサウンドと、派手めなシンセのミスマッチが楽しいサウンドに乗せて、“ひとりで涙を流さないで”と温かいメッセージを語りかける。
03恋は大騒ぎ
コーラスにEPOが参加した5枚目のシングル。ハネ気味のビートで軽快に進むバンド・サウンドが新鮮なポップ・チューンで、泣いて、笑って、すべてを道連れにするような恋の楽しさを歌う。恋に前向きになれるようなナンバーだ。
04ラブ・ストーリーは突然に
ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌として大ヒットを記録した6枚目のシングル。ギターのカッティングから幕を開ける疾走感のあるサウンドのもと、情熱的な恋物語が展開。“あの日あの時あの場所で〜”というサビのフレーズはあまりにも有名。
05Oh!Yeah!
「ラブ・ストーリーは突然に」との両A面として発表された楽曲。“Oh! Yeah!”と繰り返すコーラスとは裏腹に、サウンドは大人っぽくかつドリーミー。セクシーな言葉も並ぶラヴ・ソングだ。コーラスに鈴木雅之が参加している。
06そのままの 君が好き
弱いのは君だけじゃない、そんなに自分を追いつめないで。不安になり、悲しみに包まれてしまったような人を包み込む、大きな優しさに満ちた応援歌。ときに温かく語りかけ、ときに鼓舞するようなヴォーカルの変化が見事。佐藤竹善がコーラスで参加。
07いつか どこかで
小田和正自身が監督を務めた同名映画の主題歌として制作された1992年発表のシングル。“いちばん大切な人”と離れ、再び会える時を思いながらその人を思う切ないラヴ・ソング。ストリングスも加えたドリーミーなサウンドが心地よいポップ・チューンだ。
08風と君を待つだけ
Far East Club Bandの過不足ない演奏に、ストリングスを加えたドラマティックなサウンドが印象的なポップ・チューン。夢を追いともに走る人に向けた応援歌ともいえるナンバーで、佐藤竹善、松たか子、JUJUら豪華コーラス陣との掛け合いで進むラストは見事。
09風の坂道
1993年発表のシングル。君とはじめて会ったその時から、ありふれた日々が輝き、ありふれた今が思い出に変わる。運命的な出会いを歌っているが、その二人を待つのは悲しい結末。それでも前を向いて歩いていく姿を、力強く歌い上げる。
10それとも二人
うなりを上げるような佐橋佳幸のギターで幕を開けるスタイリッシュなミディアム・アップ。R&B風の大人っぽいバンド・サウンドに乗せて、若さゆえに離れてしまった君との時間を振り返る。決して実現することのない“if”を思う葛藤を見事に表現している。
11my home town
タイトルのとおり、自身の故郷である横浜市を舞台にしたハートウォームなナンバー。“できたばかりの根岸線”などローカルな単語も登場するが、おだやかなサウンドに乗せて歌われる故郷への思いは誰の胸にも染みる。金沢文庫駅の発車メロディとして使用。
12真夏の恋
中西圭三がコーラスとして参加した1994年発表のシングル。パーカッションを効果的に配し、ギターやシンセとともに夏にピッタリの爽やかかつどこな儚げなサウンドを構築。切ないくらいに燃え上がる夏の恋を、エモーショナルに歌い上げる。
13伝えたいことがあるんだ
ドラマ『最後の恋』の主題歌としてヒットを記録した1997年発表のシングル。大胆に言葉を詰め込み、早口で語りかけるようなフレーズを多用。対照的にサビでは伸びやかにゆったりとしたメロディとなっているが、恋の焦燥感を巧みに表現している。
14緑の街
『いつか どこかで』に続き、小田和正自身がメガホンをとった同名映画の主題歌として1997年に発表したシングル。ハープをはじめとしたストリングスやホーンを用いたスケールの大きなサウンドの乗せて、忘れられない人への思いをまっすぐに歌い上げる感動的なバラードだ。
15woh woh
JRAのCMソングとしても人気を博した2000年発表のシングル。爪弾かれるアコースティック・ギターのアルペジオを中心に、大切な人への想いをじんわりと歌い上げるバラード。サビの中心となるメロディを“woh woh”と歌うセンスは彼ならでは。
16the flag
スターダストレビューの面々をコーラスに迎えたアップ・テンポのナンバー。若さゆえに傷つけあった大切な仲間たちへの思い。“この国のすべて”を変えていくほどの決意を互いに分かち合った仲間たちへ、再び呼びかける力強い歌声が高らかに響く。
17キラキラ
フジテレビ系ドラマ『恋ノチカラ』の主題歌に起用、ヒットを記録した2002年発表のシングル。“ゆら ゆら ゆら”とひと言ずつ区切った歌いだしが印象的なポップ・チューンで、一気にカラフルなサウンドへと開けるサビとともに希望に満ちた恋を歌う。
[Disc 3]
01たしかなこと
明治安田生命のCMソングのほか、さまざまなTV番組やCM、結婚式などにも使用されている感動的なバラード。愛する人への大切なメッセージが詰まった言葉の数々を、ひと言ずつ、語りかけるように歌い上げる。2005年発表のシングル。
02大好きな君に
佐藤竹善らがコーラスで参加したラヴ・ソング。タイトルどおり“大好きな君”に向けて想いを綴っているが、“暮れゆく西の空 真冬の公園”など、ひとつずつ置いていくような構成で、頭のなかに情景が豊かに浮かんでくる。控えめなバックも好サポート。
03明日
君のためにありふれた明日だけを願う……AORっぽい幕開けから、なにげない毎日の大切さを綴ったミディアム・バラード。フレーベル少年合唱団、すずかけ児童合唱団とともに明日へと高らかに歌い上げる希望に満ちたラストは感動的。
04風のようにうたが流れていた
詩的なタイトルが象徴するような、ギターやハープをフィーチャーした幻想的なサウンドが美しいバラード。幼い頃に覚え口ずさんでいたあの歌は、長い時が経ち、面影が残らない今も風のように流れていた。一遍の映画のような物語を、澄んだ声で歌い上げる。
05ダイジョウブ
NHK朝の連続テレビ小説『どんど晴れ』の主題歌となった2007年発表のシングル。ストリングスを取り入れた壮大なサウンドをバックに、“君の笑顔はいつだってみんなを幸せにしている”と優しく語りかける、ハートウォームなミディアム・ナンバー。
06こころ
“月9”ドラマ『ファースト・キス』主題歌となった2007年発表のシングル。キラキラと輝くようなサウンドに乗せて、“世界中でいちばん大切な人”との出会いを描いたサマー・ラヴ・ソングだ。松たか子らを起用した豊かなコーラスワークも見事。
07今日も どこかで
小田自身によるアコギのアルペジオに、金原千恵子ストリングスやピアノが絡む美しいアンサンブルが魅力的なミディアム・アップ。愛し合い、許し合いながら繋がっていく人と人との大切な出会いを描いており、ライヴでの観客の大合唱も取り入れたラストは感動的。
08さよならは 言わない
このまま会えないとしても、いつでも思い出す。二人過ごした日々を穏やかに回想する心温まるバラード。ピアノと小田の伸びやかな歌声を中心に、フルートやオーボエをはじめさまざまな音色で彩りを加え、ふくよかな優しさを際立てている。2009年発表のシングル。
09グッバイ
佐藤竹善、大橋卓弥(スキマスイッチ)がコーラスで参加した2010年リリースのシングル。“近づいても遠いこころ”“手をのばしてもかなわない想い”など、現実をしっかりと見据えながら、それでも前に進んでいく姿を力強いサウンドとともに描き上げている。
10やさしい雨
ホーン隊やストリングスを取り入れたゴージャスなサウンドのほか、JUJUやキヨサク(モンゴル800)ら豪華コーラス陣とともに希望に満ちたサウンドを作り上げたポップ・チューン。優しく背中を押すような、シンプルな言葉も心地よい。
11東京の空
フジテレビ系ドラマ『それでも、生きてゆく』主題歌に起用されたバラード。ピアノの伴奏とともに、ひと言ずつ置いていくような小田ならではのメロディと言葉が並ぶ。構成もどこまでもシンプルながら、静謐な雰囲気と優しさに満ちたフレーズが胸に響く。
12その日が来るまで
2013年発表のシングルで、アコースティック・ギターのアルペジオを主体としたハートウォーミングなミディアム・ナンバー。ここで歌われる“その日”とは、故郷の街に“あの日々”が戻ってくる日。希望に向かってゆっくりと歩いていくような、優しいサウンドが心地よい。
13愛になる
大切な人を見失わないで、決してその手を離さないで……すべてを包む愛を描いたポップ・チューン。優しくて強い、愛そのものをサウンドに具現化したような鮮やかなアレンジに負けない希望に満ちたメロディを、佐藤竹善、根本要のコーラスとともに歌い上げている。
14そんなことより 幸せになろう
軽口を叩くようなタイトルによる歌い出しから、“どんな時も主役は自分”“気持ち次第で何とかなるから”など、どこまでも前向きな言葉が並ぶポップ・チューン。ホーン隊も加わったカラフルなサウンドで、松たか子らとの分厚いコーラスワークも映える。
15やさしい夜
ストリングスを中心としたドリーミーなサウンドで進む、子守唄のように優しいスロー・ナンバー。4分弱と短めの作品ながら、JUJUや松たか子という強力なサポートを得て、小田ならではの美しいコーラスワークが冴えわたっている。
16wonderful life
SUBARUのCMソングに起用されたポップ・チューン。明日のずっと先へ続いていく道を、どこまでも走ってゆこう。素晴らしきこの世界を象徴するようなカラフルなサウンドとともに、希望に満ちた言葉を伸びやかに歌い上げている。
17風は止んだ
映画『64-ロクヨン-』前後編の主題歌。生まれてきた理由はわからないけど、生きていく意味は少しわかったかもしれない……哲学的ともとれるテーマと大切な人への感謝を歌ったミディアム・バラードだ。やや抑え気味の歌唱で、メッセージがよりじんわりと染みこんでいく。