ミニ・レビュー
キスマイ5枚目のアルバムはなんといっても4枚組のこちらがオススメ。本編が素晴らしいのは当然として、ソロ曲&ソロMV、感涙のドキュメンタリーまで盛りだくさん。ダンサブルというものが芯にありつつもバラエティに富んだ内容で、つくづくカラフル・キャラクターなグループだとあらためて。
ガイドコメント
デビュー5周年のアニヴァーサリー・イヤーにリリースの5thアルバム。「AAO」や「最後もやっぱり君」といったシングルのほか、“刺激的なキスマイ”を堪能できる楽曲を収録している。
収録曲
[Disc 1]
01“5th”Overture
5thアルバム『I SCREAM』の冒頭を飾るイントロダクション。作編曲を手がけるのはCHOKKAKU。ハリウッド映画の幕開けのようなスペクタクルなサウンドから、バキバキのダンサブルなテイストへとモーフィングしていくアレンジがユニーク。
02YES! I SCREAM
「“5th”Overture」を引き継ぐようなストリングスから幕を開けるアッパーなポップ・チューン。オーケストラとダンス・トラックを見事に融合させたスケール大きなサウンドをバックに、前へ前へと強い意志を持って進んできた道を歌う。
03Summer Breeze
冒頭に打ち寄せる波の音などを配し、タイトルどおり夏らしい雰囲気を生み出したポップ・チューン。トラックは激しいEDM調ながら効果的な口笛でゆるさを演出し、“EH OH EH OH”というシンガロングなコーラスで盛り上げる。
04Gravity
藤ヶ谷太輔主演映画『MARS 〜ただ、君を愛してる〜』主題歌起用の16枚目のシングル。ダンサブルに攻めつつ、軽快なギター・カッティングを効かせたサウンドがクール。セクシーかつワイルドなラップ・パートと高揚感のあるサビで、力強く背中を押してくれる。
05PSYCHO
超ブーピーなトラックに三味線を乗せた、ユニークなアプローチのナンバー。タイトルにもかかった“最高”というフレーズを多用しながら、危険なパーティを煽る。三味線で和風になるのではなくエスニックなテイストに作用、ドラッギーな魅力も満載。
06&say (北山宏光&藤ヶ谷太輔)
北山宏光と藤ヶ谷太輔による一曲は、Jazzin'parkの二人が制作に関わった、クールでダンサブルなヒップホップ・チューン。ラップ・パートがキレキレゆえ、甘めのメロディでビシッと決めるフックでの“キミを奪いに行くよ”のフレーズの破壊力は抜群。
07Flamingo
ピアノをフィーチャーした音数少な目のR&B調ミディアム・ナンバー。甘いラヴ・ソングながら、“人目を気にせず”“一線を越え”など、許されぬ恋を思わせるフレーズが散見。危うい片足立ちのなか、あふれ出す思いをしっとりと歌い上げる。
08夕空
ピアノを中心にハートウォーミングなサウンドで進むミディアム・テンポのポップ・チューン。君が望むような幸せはこれからもこの場所にある……沈む夕日を背に二人で歩きながら温かな未来に思いを馳せるストーリーで、まっすぐな歌唱が胸に響く。
09最後もやっぱり君
作詞作曲・つんく×編曲・大久保薫というハロー!プロジェクトでおなじみの布陣による15枚目のシングルで、玉森裕太主演の映画『レインツリーの国』主題歌。アコギをフィーチャーしたバラードで、大切な人へに向けて、気恥ずかしくなるほどまっすぐな思いを歌う。
10AAO
ナオト・インティライミが作詞作曲を担当した、玉森裕太主演の日本テレビ系ドラマ『青春探偵ハルヤ〜』主題歌起用の14thシングル。ファンキーなポップ・チューンで、太陽の力を借りつつチャレンジしよう、という超前向き&やや軽薄なメッセージもナオト印。
11メガ☆ラブ
イワツボコーダイが制作に参加したパーティ・チューン。“L・O・V・E LOVE!!”というコーラスをはじめ、90年代J-POPを思わせるサウンドなど“ベタ”な魅力満載。ノンストップでカーニバルな真夏の恋を王子様的に歌い上げる。
12MU-CHU-DE 恋してる
藤ヶ谷太輔が出演する「銀座カラー」のCM曲に起用されたポップ・チューン。タイトルどおりのキラキラなラヴ・ソングで、サウンド面でもキュートかつカラフルなテイスト全開。“キラキラの恋しよう”とスウィートに歌い上げるサビがたまらない。
13NOVEL (Album ver.)
14thシングル「AAO」のカップリングとして収録された楽曲のアルバム・ヴァージョン。ピアノを中心とした原曲を、より壮大にドラマティックにアレンジ。これからも続く二人の日々を小説にたとえ、僕らの物語をこのまま繋ごうを優しく語りかける感動的なラヴ・ソングだ。
14Re:
メンバーが作詞を手がけたドラマティックなミディアム・バラード。ファンレターへの返信というテーマで綴られたもので、返信記号を意味するタイトルはそこから。言葉では伝えきれないほどの夢を届けたい……“ラブレター”とするあたりがニクい。
15I Scream Night
クラブ仕様のダンサブルなサウンドが魅力のハウス・チューン。4つ打ちのビートを巧みに抜き差しした、お約束ともいえる高揚感の演出が完璧。星が煌めく夜空の下でのパーティを想起させるサウンドとストーリー、そして力強い歌唱に高まる。
[Disc 2]
01今ナニヲ想ウノ (北山宏光)
北山宏光のソロ曲で、ピアノ1台をバックにしたバラード。別れてしまった大切な人の優しさが消えず、前に進むことのできない苦悩を綴った切ないラヴ・ソングで、消え入るような声で“なぜ 忘れさせて”と歌うサビに胸が痛む。
02Get Ready (千賀健永)
千賀健永のソロ曲は、ファンキーなギター・カッティングで幕を開けるブラック・フィーリングあふれるナンバー。君のそばにいたい、誰にも邪魔させない……。曖昧な態度ではぐらかすキミに向けて直球な言葉で迫る。千賀ならではのハイトーンな歌声がたまらない。
03ヲタクだったってIt's Alright! (宮田俊哉)
“ガチヲタ”として知られる宮田俊哉のソロ曲は、前山田健一印の2010年代アイドル・ソングの王道といえるハイパーなナンバー。“ミックス”や“ロマンス”をふんだんに盛り込みつつ、恋に悩むヲタの心情を歌う。早口なヲタ口調もお手のもの。
04ワッター弁当 (横尾渉)
浅利進吾が制作した横尾渉のソロ曲。キスマイを代表する料理上手だけあって、キッチンで“ワッター弁当”を作るストーリー。女性アイドル感満載のファンシーなサウンドとともに、“喜んでくれるかな?”と乙女心に満ちた心配をするワッターにメロメロ。
05You're Liar♥ (藤ヶ谷太輔)
“小フーガ”として知られるJ.S.バッハの「フーガ ト短調」をサンプリングした藤ヶ谷太輔のソロ・ナンバー。“嘘”をテーマにしたミステリアスなストーリーで進行し、どこか『オペラ座の怪人』を思わせるホラーにも似た雰囲気がハマっている。
06ALIVE (玉森裕太)
ピアノを取り入れた壮大な雰囲気を感じさせるパートと超絶ブーピーなダンス・トラックを交互に行きかうトリッキーな構成がユニークな、玉森裕太のソロ曲。柔らかなヴォーカルもクールなラップも巧みにこなす玉森の表現力の豊かさを感じられる。
07ジョッシー松村のSCREAM (二階堂高嗣)
恋に悩める冴えない女子“ジョッシー松村”を主人公とした二階堂高嗣のソロ曲。キスマイの“玉ちゃん”に思いを寄せる彼女の自己紹介からはじまり、情緒不安定なセリフパートなど、全力で演じる二階堂のエンタテイナーっぷりに感服。
[Disc 3]〈DVD〉
01FIRE!!! (MUSIC VIDEO) (北山宏光&藤ヶ谷太輔)
02Get Ready (MUSIC VIDEO) (千賀健永)
03ヲタクだったってIt's Alright! (MUSIC VIDEO) (宮田俊哉)
04ワッター弁当 (MUSIC VIDEO) (横尾渉)
05ALIVE (MUSIC VIDEO) (玉森裕太)
06ジョッシー松村のSCREAM (MUSIC VIDEO) (二階堂高嗣)
07Re: (ソロアングルMOVIE)
[Disc 4]〈DVD〉キスマイ×セルフプロデュース企画“6movies”密着ドキュメント/メンバー作詞曲「Re:」制作ドキュメンタリー