ミニ・レビュー
高橋悠治を通してサティを知った世代としては、とても感慨深いアルバムである。と言うより日本の音楽界は、この人を通じてサティを知ったと言っても過言ではないだろう。演奏はこれ以上なく明晰そのものだが、己を消し去った地平にサティの音楽がさりげなく浮かぶという素晴らしさ。
ガイドコメント
孤高のピアニスト、高橋悠治が1976〜80年にDENONレーベルに録音したサティのピアノ作品集に、新たなリマスタリングを施したCD3枚組のコンプリート新装版。2016年に生誕150年を迎えたサティの演奏史に燦然と輝く名録音である。
収録曲
[Disc 1]
01ジムノペディ〜1/2/3
02グノシェンヌ〜1/2/3
03天国の英雄的な門への前奏曲
04ジュ・トゥ・ヴー
05冷たい小品 (逃げださせる歌)〜1/2/3
06冷たい小品 (ゆがんだ踊り)〜1/2/3
07ノクチュルヌ〜1/2/3/4/5
08ラグ=タイム・バラード
[Disc 2]
01 (犬のための)ぶよぶよとした前奏曲
02 (犬のための)ぶよぶよとした本当の前奏曲
03自動記述法
04乾からびた胎児
05右と左に見えるもの (眼鏡なしで)
06嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ
07スポーツと気晴らし
08最後から2番目の思想
09官僚的なソナチネ
[Disc 3]
01バレエ「パラード」〜ジャン・コクトーのテーマに基づく1幕の現実的なバレエ
02シネマ〜「本日休演」の交響的幕間
03梨の形をした3つの小品
04不愉快な概要
05風変わりな美女
演奏
高橋悠治(P) [2] (5)水野佳子(VN) [3] アラン・プラネス(P) [3] (5)村井祐児(CL) 岡崎耕治(FG)
録音
[1] 76.1 [2] 79.3 [3] 79.11,80.1