ミニ・レビュー
NMB48のセンターでギター女子、山本 彩のファースト・アルバム。明朗でチャーミングな自作曲も、スガ シカオやTAKUROのクセの強い提供曲も、凛々しく真っ直ぐ歌い上げるポテンシャル。華やかな場面で培った表現力が、彼女をここまで押し上げたのだろう。ギター・ロックのなんたるかを知っている音だ。
ガイドコメント
NMB48のメンバーとしても活躍する山本彩のソロ・デビュー・アルバム。サウンド・プロデュースに亀田誠治を迎え、TAKURO(GLAY)やスガシカオらからの提供曲や、自身が作詞作曲を担当した楽曲を収録している。
収録曲
[Disc 1]
01レインボーローズ
快活なキャラクターの魅力を存分に引き出した、エネルギッシュなビート・ロック・チューン。自身が作詞作曲を手がけており、これまでの自分を受け入れ、新たな世界に飛び出そうとする決意を綴る。突き抜けるようなヴォーカルも爽快だ。
02雪恋
NTTドコモ「dヒッツ」のCM曲。自身作詞作曲を手がけた豪勢なストリングスアレンジで彩られた失恋ソング。一人称が“僕”であるように、恋に敗れた男子が抱える数え切れない恋人との思い出を雪になぞらえて描く。
03ヒトコト
agehasprings所属の百田留衣が作曲、チャットモンチーやねごとのプロデュースで知られるいしわたり淳治が作詞を手がけた一曲。普段と同じ帰り道を歩く際に“二人並ぶはずだった 足跡はひつとだけ”と振り返る歌詞に、失恋の辛さと寂しさが詰め込まれている。
04彼女になりたい
自身が作詞作曲を手がけたロック・チューン。シンプルなギターとドラムの音は、好きな人の“彼女になりたい”と願う勝気な女子を表わしているかのようにパワフルに響く。目が合っただけで“もしかして私が…”と勘違いする女心を巧みに描いている。
05愛のバトン
いしわたり淳治が作詞、YUKIや綾瀬はるかの作曲で知られる蔦谷好位置が作曲を手がけた壮大なミドル・バラード。ストリングス、タンバリンが豪華に彩る楽曲にのせ“目に見えない胸の愛は 分けるほど増えて行くよ”と愛の不思議を歌い上げている。
06BAD DAYS
TAKURO(GLAY)が作詞作曲を手がけた8ビートのロック・チューン。憂いを帯びたルーズなヴォーカルと“ねぇ 最低の日だね”という歌詞が、思春期の女子の強がりのようで淡い気持ちにさせる。聴かせるサビはさすがTAKURO。
07月影
“人は何故この地球(ほし)に生まれたのだろう”という形而上学的な問いが投げかけられるバラード。90年代R&Bを思わせるトラックに乗せ、夜に抱くセンチメンタルな気持ちを歌う。エコーがかかったとろけるような間奏のギターの旋律も幻想的。
08スマイル
亀田誠治が作詞作曲を手がけたポップ・ナンバー。サビで鳴り響くハンドクラップよりも元気一杯にはじけるヴォーカルが“明日の君はきっと今日より 百倍輝いている”と背中を押す。前に前に出てくるベースは、ベーシスト亀田らしい。
09心の盾
スラップ・ベースと切れ味のいいストリングスがグルーヴィなミディアム・ダンス・チューン。“僕は僕を生きるために生まれた”“心までも支配はさせない 盾を持て”など聴き手の感情を盛り上げる詞世界が綴られていく。
10ひといきつきながら
岩田純平が作詞、生沢佑一が作詞を手がけたスロー・ナンバー。アコースティック・ギターによるシンプルな構成にあわせ、落ち込んだ気持ちを再び上向きにするようなポジティヴな言葉で歌われていく。日本テレビ系『アナザースカイ』限定JT CMソング。
11疑問符
自身が作曲、秋元康が作詞を手がけた失恋ロック・チューン。恋人と別れた主人公が踏み切りの前で空の回送列車を眺める描写は、聴き手の心に寂しさを運んでくる。歌詞に反して曲をギターがドライヴし、センチメンタルとは対極のアレンジ。
12幸せの欠片
自身が作詞作曲を手がけたラヴ・ソング。まだ付き合っていない男女のデートや想い出が綴られていき、ラストに告白の場面が訪れる。徐々に盛り上がっていく流麗なストリングスや鍵盤がより感動的なラストを演出している。
13メロディ
思わずリズムを刻んでしまうフィリー・ダンサー・チューンは、スガシカオが作詞・作曲を担当。“もう会えないあなたへ まだ会えてない君へ”と過去と未来を一繋ぎにし、“わたしにもできることがあるはず”と前向きなメッセージが綴られる。
[Disc 2]〈DVD〉
01雪恋 (ミュージックビデオ)
02特典映像1 レインボーローズ
03特典映像2 アルバム「Rainbow」メイキング