ミニ・レビュー
海外レコーディング作品となる一枚。NTTドコモのCMソングで話題となった「Always coming back」、映画『ミュージアム』の主題歌「Taking Off」も収録した全14曲。takaが歌い上げる英語と日本語の絶妙なバランス、壮大なロック・サウンドは文句なしの仕上がり。
ガイドコメント
前作『35xxxv』から約2年ぶりとなる、海外レコーディングされた8枚目のアルバム。NTTドコモのCMソング「Always coming back」や映画『ミュージアム』主題歌「Taking Off」などを収録している。
収録曲
01Ambitions-Introduction-
アルバム『Ambitions』の冒頭に配置された、1分半ほどのイントロダクション。最小限の音数で構築されており、シリアスな映画のオープニングのようにミステリアスな雰囲気が充満。壮大な物語の幕開けを巧みにサポートする。
02Bombs away
オリエンタルな雰囲気も感じさせるオープニングから、じわじわと熱量が高まっていくロック・チューン。タイトルのとおり、サビで一気に爆弾を投下。迫力全開のサウンドとともに、TAKAの高らかなシャウトが痛烈に響きわたる。
03Taking Off
クリーントーンのギターのストロークを中心に据えた、スタイリッシュなロック・ナンバー。メロディとバンド隊のキメをうまくクロスさせながら、スケールの大きな歌を響かせる。ダイナミズムに富んだ、ストーリー性豊かなアレンジも秀逸。映画『ミュージアム』主題歌。
04We are
2017年のNHKサッカー放送のテーマ・ソング。サッカーのチャントのようにも聴こえる“We are We are……”というコーラスで幕を開けるスケールの大きなナンバーで、自分をごまかしながら生きることに意味はあるか、と痛烈なメッセージを浴びせる。
0520/20
アコースティック・ギターとヴォーカルだけのシンプルなオープニングから、爆発力のあるバンド・サウンドへと展開していくキラー・チューン。タイトルは英語圏での視力の表記で、正常視力(1.0)に相当。嘘をならべていた君の正体を見破ったと歌う。
06Always coming back
NTTドコモのCMソングに起用されたミディアム・ナンバー。ピアノとアコースティック・ギターのアルペジオを中心としたシンプルなサウンドをバックに、大切な人との日々を描く。高らかな“Oh Oh”のシャウトが胸に響く。
07Bedroom Warfare
破壊力のあるバンド・サウンドはそのままに、エレクトロな要素も取り入れてさらにスケールの大きな音像を構築したロック・チューン。タイトルは直訳で“寝室の戦争”。関係を絶ったはずのあなたと過ごす一夜を描いている。
08Lost in Tonight
緊張感のあるシンセのリフを中心に、轟音のギターや激しいドラムのビートでアクセントをつけたクールなテイストのロック・ナンバー。柔らかなハイトーンから切り裂くようなシャウトまで、TAKAの表現力の幅を広さを再確認できる。
09I was King
重厚なオーケストラでの幕開けから、バンドと融合してスケールの大きなサウンドスケープを描き出す。執拗に“When I was King”と繰り返しながら進むストーリーは、過去を振り返りながらも未来への思いに満ちている。
10Listen (featuring Avril Lavigne)
アヴリル・ラヴィーンをコラボ・アーティストに迎えたミディアム・ナンバー。大切な人への思いをまっすぐに綴ったラヴ・ソングだが、歌詞はすべて一人の目線から。日米を代表するヴォーカリストの歌声にただただ圧倒される。
11One Way Ticket
美しいコードワークとそれが生み出すポップにしてスケールの大きなメロディを、ピアノを中心としたシンプルなサウンドで支えたポップ・ナンバー。大切な人が去り、悲しみに打ちひしがれる姿を描いた切ないストーリーが胸に響く。
12Bon Voyage
重心の低いゴリゴリのバンド・サウンドに、シンセが彩りを添えたロック・ナンバー。リズムをザクザクと刻むようなTAKAのヴォーカルが特長で、“熱が二つを引き合わせ 冷めてしまえば”という中盤の日本語詞も不思議な響きを持つ。
13Start Again
高らかなTAKAのシャウトで幕を開け、その勢いのまま爽快感に満ちたバンド・サウンドへと突入するキラー・チューン。シンプルなアレンジだけに、声の魅力を含めてヴォーカリストとしての資質の高さを存分に味わうことができる。
14Take what you want (featuring 5 Seconds of Summer)
豪ポップ・バンド、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーを迎えたスケールの大きなポップ・ロック・ナンバー。洪水のような圧力の高いサウンドをバックに、美しいメロディが躍動。中盤で披露する長い長いシャウトは圧巻。