ミニ・レビュー
時おり動きをタメながら前へ前へと音を募らせていくチェンバロに、パート一人のアンサンブルが闊達自在に絡んでエモーショナルに身体に働きかける。情動一辺倒ではない。前半と後半でいわば動と静。響きの作り、絡みのカタチ、情動に及ぼす仕掛けの違いの勘所を鋭敏に捉え腑に落とす。選曲、けだし卓抜。
ガイドコメント
バロック音楽界にセンセーションを巻き起こしている若きクラヴサン奏者、ジャン・ロンドーの3作目となるアルバム。J.S.バッハとその息子たちの手によるチェンバロ協奏曲を収録。小編成の合奏とともに鮮やかな演奏を繰り広げている。
収録曲
01チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052 (J.S.バッハ)
02チェンバロ協奏曲ヘ短調 (J.C.バッハ作品とされる)
03ソナタ ト長調FK.7〜ラメント (W.F.バッハ/ロンドー編)
04チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056 (J.S.バッハ)
05チェンバロ協奏曲ニ短調Wq.23 (C.P.E.バッハ)
演奏
ジャン・ロンドー(HC) ソフィー・ジェント,ルイ・クレアック(VN) ファニー・パクー(VA) アントワーヌ・トゥーシェ(VC) トマ・ド・ピエールフ(CB) エヴォレーヌ・キーナー(FG)