[Disc 1]〈「イ」いくつもの 日々を越えたよ 20年〉
01夏色
寺岡呼人がプロデュースを手がけた、1998年リリースのデビュー・シングル。その後のイメージを決定付けたかのように爽やかで健康的な一曲だ。動きのあるベースラインなどは、ニューミュージック以降のフォークという赴きも。
02栄光の架橋
NHK『アテネオリンピック中継』公式テーマ・ソングとしても知られる、2004年リリースの21枚目のシングル。北川と岩沢によるコーラスが、松任谷正隆が手がけたシンフォニックなアレンジで、よりエモーショナルなモノになって響く。
03雨のち晴レルヤ
2013年発表の39枚目のシングル。“突然 偶然 それとも必然”という韻を踏んだ冒頭の歌詞からキャッチーで、物語に一気に引き込まれる。間奏にはドヴォルザーク作曲の交響曲第9番「新世界より」の第2楽章を引用。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』主題歌。
04虹
蔦谷好位置と共同プロデュースを務めた2009年リリースの通算29枚目のシングル。“越えて 越えて 越えて”という先を目指そうとする歌詞が、弦一徹による重厚なストリングス・アレンジでより壮大に響く。日本生命の企業イメージCM曲。
05飛べない鳥
2000年発表の10枚目のシングルは、かき鳴らされるジャングリン・ギターとパワフルなドラムが印象的なネオアコ風ポップ。空を飛ぶのではなく、地道に歩くことを決めた決意を“飛べない鳥”に准えたメッセージ・ソングだ。フジテレビ系ドラマ『涙をふいて』主題歌。
06いつか
冬を舞台にした1999年発表の4thシングル。バンド・セットを従え“寂しくなったらすぐ駆けつける”と、恋人への強い思いを歌ったラヴ・バラードだ。終盤の展開や雄々しいストリングス・アレンジもドラマティックに響く。
07表裏一体
アニメ&映画『HUNTER×HUNTER』主題歌となった通算40枚目のシングル。前山田健一との共作で、音数の多いポップに響くサウンドや疾走感とシンフォニックなハーモニーが魅力。組曲風のドラマティックな展開も壮観。
08からっぽ
岩沢厚治が作詞作曲を手がけた1998年発表の3rdシングル。“だからその目で僕を見ないで”と“からっぽ”になった自分に負い目を感じながらも、前に進んでいこうと歌ったバラード・ソングだ。プロデュースは寺岡呼人。
09アゲイン2
2002年発表の12枚目のシングル。バタバタと力強いドラムからスタート。そのテンションを持続したままサビに向かっていく展開は、目の前の雲が徐々に晴れていくように爽快。シンコペーションの効いたピアノも胸を弾ませてくれる。
10桜木町
2004年発表の20枚目のシングル。自身の地元である横浜・桜木町を舞台に、実体験かと思わせるほど赤裸々な恋愛物語が綴られていく。“観覧車”“海沿いの道”など土地の記憶を刺激するかのように散りばめられたフレーズも効果的だ。
11イロトリドリ
2013年に発表された配信限定シングルで、「ユーキャン通信講座」2013年度CMソング。コミカルな歌詞&楽曲ながらも“どんな運命も立ち向かう”や“誰もが宝物を見つけるcolor”などハッとさせられる人生訓を織り交ぜている。
12少年
1998年発表の2ndシングル。ホーン・セクションを大々的に取り入れたご機嫌な楽曲に乗せ“自分らしく温かく生きていこう”“今自分に出来る事をひたすらに ながされずやってみよう”と歌う。無邪気な楽曲と歌声だからこそ青臭く感じず、心に響く。
13スマイル
北川悠仁が作詞作曲を手がけた一曲。涙を流して心を塞いでいる友人にそっと“君の微笑が 世界を変える スマイル”と歌う応援歌だ。鼓笛隊に加え、無垢な子供のコーラスを挿入したアレンジに思わず童心に返ってしまう。
14嗚呼、青春の日々
フォーク・リバイバル的な「夏色」でのデビューから、一気にロックに寄った9thシングル。がなるようなヴォーカルで、青春時代の終わりに抱く焦燥感を綴っており、吉田拓郎「人生を語らず」のように痛く切ない一曲だ。
15逢いたい
NHKドラマ『ゴーストフレンズ』主題歌に起用された、2009年発表の27枚目となるシングル。もう逢えない人を思うセンチメンタルな歌詞が綴られているが重苦しくはなく、弦一徹によるストリングス・アレンジが晴れやかな気持ちにさせる一曲だ。
16見上げてごらん夜の星を〜ぼくらのうた〜
坂本九の代表曲に北川が新たなメロディ・歌詞を追加した2016年配信曲。メランコリックだった原曲に対し、力強いドラムマーチが鳴り響く一曲に。日本生命「Play,Support それぞれのサポーター」篇のCMタイアップ曲。
17イロトリドリ (ゆず×いきものがかり)
2013年に発表された配信限定シングルを、いきものがかりとコラボレーションしたヴァージョン。オリジナルとは異なりイントロにア・カペラを導入。そこから打ち込み中心のトラックになだれ込むが、終始ハッピーな雰囲気が漂っている。
[Disc 2]〈「ロ」路上から 思えば遠くへ きたもんだ〉
01サヨナラバス
1999年3月発表の5thシングル。バスに乗り去っていく恋人とのわずかな待ち時間を惜しむ姿を描く。しかし、楽曲、歌詞ともに湿り気はなく、最後に“僕は僕らしくいるから”と前向きな言葉で締めくくっている。
02贈る詩
1stシングル「夏色」のカップリング。ともするとチープに思えてしまうような演奏だが、だからこそ等身大の若者のメッセージ・ソングとして心に響く。小気味よいテンポも健康的な印象だ。北川悠仁が作詞作曲を担当。
03LOVE&PEACH
2011年7月に配信限定でリリースされた、性急なビートとスラップベースが弾けるパワフルな一曲。サビ前の“僕らだけのフェスティバル”というフレーズでライヴ会場が盛り上がる様子が目に浮かぶ。北川悠仁が作詞作曲。
04恋の歌謡日
2002年2月に発表された13枚目のシングル。イントロ・間奏に台詞が入り、楽曲はラテン調と、昭和歌謡オマージュに溢れた一曲。北川による女性目線のメイン・ヴォーカルと岩沢による男性目線でのコーラス・パートとのコントラストも面白い。
05OLA!!
2015年4月発表の42枚目となるシングルは、スパニッシュ・ギターとヴァイオリンが鳴り響くラテン風な一曲。哀愁を漂わせるAメロから多幸感あふれるサビへの展開は、豪快かつアクロバティックで目にも鮮やか。
06ヒカレ
2014年発表の41枚目のシングルは、ヴォーカル、ストリングス、ビートが三位一体となり聴き手の背中を押す壮大なエール・ソング。“ヒカレ ヒカレ”とシンプルな言葉で一人一人が輝くことの大切さを歌い上げている。
07桜会 (さくらえ)
2010年2月リリースの30枚目となるシングル.ブラスにヴァイオリン、アコーディオンなどアイリッシュな楽曲にのせ、大切な人へ出会えたことの感謝やこれからも変わらぬ想いを綴っている。北川悠仁が作詞作曲を担当。
08春風
デビュー9年を迎えた2007年3月発表の23枚目のシングル。初期作品に近い純朴なフォーク路線に壮大なストリングス・アレンジを加えたバラード・ナンバーだ。春に別れた恋人への想いを綴っていく。岩沢厚治が作詞作曲を担当。
09青
タイトルどおり“青春”時代をテーマにした2003年リリースのシングル。人生に迷った際に手を差し伸べてくれた人への感謝と前に向かう強い意志を、エモーショナルなフォークロックで綴る。北川悠仁が作詞作曲を担当。
10雨と泪
アコギとハーモニカのみで展開される王道フォーク・ナンバー。社会の周縁にいる人々へ“心をふみにじったり 弄んだり そんな奴らにかまう事はないんだ”と向けたメッセージは、中島みゆき「ファイト!」を思わせるか。
11Yesterday and Tomorrow
蔦谷好位置が作曲&プロデュースで参加した、2006年6月発表の25枚目のシングル。清らかで落ち着いたピアノの旋律が印象的な冒頭。ストリングスが加わり盛り上がりを見せるサビ。ともに4つ打ちのビートが聴き手の心を弾ませる。
12翔
フジテレビ系『世界体操2011』テーマソングに起用された、2011年11月発表の34枚目のシングル。別れた人との再会を思い、新しい自分へ生まれ変わろうとする意志を爽やかなアレンジが効いた楽曲で綴る。斎藤有太が編曲で参加。
13月曜日の週末
ハーモニカと岩沢の伸びやかなヴォーカルは、スピーカーから発せられた瞬間すぐ耳に飛び込んでくるかのように溌剌&明快。反面“雨が強くてよく晴れてた”や“月曜日の週末”などの隠喩が盛り込まれている。岩沢厚治が作詞作曲。
143カウント
2001年発表の11枚目のシングル。ワウギターにハモンドオルガンなどロック要素を多分に導入。ワウギターの揺れるグルーヴにのせて、“意味のない事ばかりをいつもやってんだ”と成果主義の世の中を笑い飛ばすさまが痛快。
15よろこびのうた
豪華なストリングスを招いた壮大なミドル・バラード。“歌おう よろこびのうたを それぞれの光を集めて”と、個性を持って輝こうとする人々の背中を押す。三浦春馬主演のフジテレビ系ドラマ『僕のいた時間』挿入歌。
16友達の唄
1999年9月発表の7枚目のシングル。ドゥー・ワップやクラップを取り入れるなど、“フォーク・ユニット”という括りから大きく飛び出したアレンジが特長的。かつての友人たちを懐かしむ牧歌的な一曲だ。北川悠仁が作詞作曲を担当。
17サヨナラバス (ゆず×back number)
5thシングルをback numberとコラボレーションしたヴァージョン。オリジナルよりもバンド色が強くなっているが、甘酸っぱさと瑞々しさはそのまま閉じ込めている。コーラスの層も厚くなりカラフルに響く。
[Disc 3]〈「ハ」ハモります いつでもきみは ひとりじゃない〉
01with you
2012年5月リリースの35枚目のシングル。4つ打ちにビートと跳ねるようなストリングスの音色がカラフルに輝くポップ・チューン。サビの“with you”はかなり高音。喉を振り絞って歌うような一生懸命な姿が、応援歌という楽曲のテーマにはまっている。
02終わらない歌
作詞・作曲・編曲に前山田健一が参加した43枚目のシングル。マーチングドラムのようなイントロやファンファーレ風のホーン・セクションなど、ポップかつ前向きな一曲だ。“国境も カラーもなんもかんも 乗り乗り乗り越えて”というグローバルな愛を綴る。
03いちご
ハンドクラップや疾走するギターの音色が夏の開放的な雰囲気を体現した、2009年7月発表の28枚目のシングル。女性歌手が歌っても様になりそうなほどポップな一曲に仕上がっている。男の下心を描いている歌詞もあくまで爽やかに響く。
04友〜旅立ちの時〜
第80回〈NHK全国学校音楽コンクール〉中学生の部課題曲となった、2013年9月発表の38枚目のシングル。“友 さよならそしてありがとう”という歌詞が散りばめられた、卒業や別れを思わせる物語にふさわしい壮大なバラードだ。
05REASON
37枚目のシングル。自由奔放に鼓膜を刺激するポップなトラックは、作編曲で参加した前山田健一によることろが大きいか。日本テレビ系アニメ『HUNTER×HUNTER』エンディング・テーマおよび、映画『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』主題歌だ。
06超特急
2005年11月発表の22枚目となるシングル。裏打ちのリズムとホーン・セクションに乗せ、夢を諦めずに自由に生きることを爽やかなハーモニーで歌いあげている。モータウン風のベースラインもいい。フジテレビ系『恋愛観察バラエティ あいのり』主題歌。
07うまく言えない
情感たっぷりのピアノに導かれ、訥々と歌う北川のヴォーカルからスタート。しかしそこから徐々にストリングスや奥行きを感じさせるギターが登場するなど、単調なバラードで終わらせない構造になっている。北川悠仁が作詞作曲を担当。
08かける
2015年に配信限定で発表されたシングル。生音と打ち込みが見事に融合したトラックはtofubeatsが担当。夢に敗れた人、つまずいた人たちへ“生きろ 生きろ”“ひとりじゃない ひとりじゃない”と力強いエールを送る。
09Hey和
2011年1月リリースの33枚目のシングルは、日本赤十字社「はたちの献血」キャンペーンソング。パイプオルガンと32名のコーラスが参加しており、壮大かつハートウォームな一曲だ。歌詞も“神は僕らの心の中にある”とスケールの大きなフレーズで構成されている。
10センチメンタル
1999年8月発表の6thシングル。夏の終わりに抱く感傷的な気持ちを“はぐれた心の欠片を 拾い集めて”と印象的なフレーズを用いて綴るが、楽曲はあくまでもキャッチー。サビで挿入される切れ味のあるストリングスが疾走感を演出している。北川悠仁が作詞作曲。
11シシカバブー
永井大主演のテレビ朝日系ドラマ『サラリーマン金太郎』主題歌に起用された26枚目のシングル。キレのあるホーン・セクションが要所で火を吹くファンキーでアッパーな楽曲に乗せ、無気力な時代を生き抜こうとするメッセージを送る。
12HAMO
NHK『めざせ!2020年のオリンピアン/パラリンピアン』テーマ・ソング。何層にも重ねられたギターの音と4つ打ちのビート、キラキラと輝くようなシンセが、前に進もうとする物語に推進力を与えている。
13守ってあげたい
2013年11月発表の39枚目のシングルは映画『すべては君に逢えたから』主題歌。フォークを基調としながらも、ストリングスやピアノを盛り込んだ豪華かつ感動的なバラードだ。困難に立ち向かう人へ“振り向けば 僕がいる”と優しい言葉を投げかける。
14ストーリー
北川悠仁が作詞作曲を担当したエール・ソング。力強いバスドラがしっかりと支えるボトムの上で投げかけられる“ラクに行こうぜ!!”や“僕らなら超えてゆけるさ”というポジティヴな言葉が印象的。晴れ晴れとしたリズミカルな曲調が爽快。
15またあえる日まで
テレビ朝日系アニメ『ドラえもん』主題歌に起用された、2002年10月発表の14thシングル。無邪気なコーラスや手拍子など、和気あいあいとした雰囲気に包まれた一曲だ。別々の道を進む友人への感謝と再会を綴っている。
16悲しみの傘 (ゆず×SEKAI NO OWARI)
1stアルバム『ゆずえん』収録曲をSEKAI NO OWARIとコラボレーションしたヴァージョン。オリジナルに比べ空間を感じさせる音作りが施されており心地よい。FUKASEの吐息が漏れるようなヴォーカルも二人にはない色気を醸し出している。