ミニ・レビュー
弦楽四重奏にチェロを加えた楽器編成は、晩年のシューベルトらしい独創性。低音部を分厚くすることで深々とした情感が醸し出され、ドラマティックな表現と抒情性が絡み合い、そこから一抹の哀しさが漂い出す……。腕利きのエマーソンSQと名手ロストロポーヴィチによる理想的な名演だ。
ガイドコメント
エマーソンのシューベルトは、いずれも清々しいロマンティシズムに満ち溢れている。このシューベルト最後の室内楽曲にもそれは現れており、ロストロポーヴィチとの緊張感あるアンサンブルがスケール感を増している。
収録曲
シューベルト:
01弦楽五重奏曲ハ長調D.956 (op.163)
演奏
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(VC) エマーソン弦楽四重奏団(フィリップ・セッツァー,ユージン・ドラッカー(VN) ローレンス・ダットン(VA) デイヴィッド・フィンケル(VC))