ミニ・レビュー
サックス独奏によるバッハの無伴奏作品。かつてジャズ奏者が聴かせた刺激的な音姿ではない。原曲の音域によって3種の楽器を使い分け、木管楽器として響きを整えたきわめて正攻法なアプローチ。重音部分も策を弄さず、楽器特有の艶やかな情動を孕む響きを活かして、旋律線やリズムを清新に堪能させる。
ガイドコメント
次代を担うサクソフォニスト、上野耕平の3作目。本作ではバッハのフルートとチェロとヴァイオリンの無伴奏曲に挑戦している。それぞれ、ソプラノ、テノール、アルトと楽器を持ち替え、新たなバッハの地平を切り拓いた。
収録曲
J.S.バッハ:
01無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
02無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調BWV1013
03無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004