ミニ・レビュー
記念すべき通算20枚目となるアルバム。「声明」「Still Alive」といったシングル曲のキャッチーさは、さすが日本を代表するヒットメイカーといったところか。映画『ジオストーム』日本語版主題歌「Dinosaur」は、恐竜の咆哮を思わせるギターの強烈なイントロが最高。
ガイドコメント
約3年ぶりとなる通算20枚目のアルバム。シングル「声明/Still Alive」のほか、セブン-イレブンCMソング「CHAMP」や映画『ジオストーム』日本語版主題歌のタイトル曲などを収録している。
収録曲
01Dinosaur
映画『ジオストーム』日本語吹替版の主題歌。タイトルどおり、恐竜の雄たけびを思わせるかのような歪んだギターのイントロから、すでに壮大なスケールで迫ってくる。それに呼応するようなハイトーン・ヴォーカルで響かせるシャウトが印象的。
02CHAMP
ブルータルなドラミングと太いベースが、80'sハードロックをより力強くしたようなサウンドへと昇華。サビ前でのマイナーメロへの展開は妖艶な味付けにして、“ぶっちぎる”のリフレインでスパーク。「セブン-イレブン」タイアップ・ソング。
03Still Alive
「声明」との両A面となった53rdシングル。イントロのペンタトーン音階で“和”な雰囲気を醸し出すが、一気にエレクトロも取り込んだハードロックへ突入。豪快な展開に引き込まれ、最後まで聴き入ってしまう。TBS系日曜劇場『A LIFE〜愛しき人〜』主題歌。
04ハルカ
スラップベースとワウギターがエクストリーム路線のファンク・メタルな世界を構成。自由奔放で謎めいたファム・ファタールへ抱く嫉妬や恋心といった複雑な男心が綴られていく。どこか物憂げなヴォーカルもいい雰囲気。
05それでもやっぱり
別れた恋人への思いを綴ったラヴ・バラード。ギター、ドラム、ベース、ピアノというシンプルなバンド編成で進行。“それでもやっぱり ほかの人に代えられない”と恋人へのメッセージを切なく歌うヴォーカルと泣きのギターが、真に迫ってくる。
06声明
レニー・クラヴィッツ「自由への疾走」に匹敵するほどキャッチーなイントロのギター・リフから胸を掴まれる。終始キャッチーなメロディに乗せ、“新たな自分に生まれ変わる”という“声明”を高らかに発表する。「Still Alive」と両A面の53rdシングル。
07Queen Of The Night
“夜の女王”を意味するタイトルにふさわしく、まとわりつくように色気のあるギター・サウンドが印象的な歌謡風味なロック・チューン。“たとえ誰ひとり見ちゃいなくても 全身全霊で咲き誇ってみせよう”という独自の美意識が綴られている。
08SKYROCKET
キッスやエアロスミスに通じる70年代的なシンプルなロックンロール・ナンバー。“上昇気流に乗って Baby どこまでも天高く”と歌った後、“喧嘩しないで今日は祭典の日”と続く歌詞には、ロックンロールへの愛情を感じる。
09ルーフトップ
マイナーメロが憂鬱な雰囲気を漂わせているハード・ナンバー。“屋上からはまだ見えるかい 眩しい星の輝き”“君に追いつきたいけれど 届かないんだ歯がゆい”と、手に届かないものへの憧れと自身の小ささに傷つく男の姿が描かれている。
10弱い男
“ホント弱い 弱い 弱い 体裁ばっかり気にして”など、誰しもにあてはまるような弱い部分を、辛辣に綴ったメッセージ・ソング。サックスが登場する間奏でのジャム・セッションは聴きどころ。サックスを担当したのはグレッグ・ベール。
11愛しき幽霊
スライドギターが幽玄な雰囲気を醸し出すバラード・ナンバー。タイトルどおり、いるはずもないとわかっていながら去っていった人の影を追い求める切ない気持ちを綴っている。サビでの女性コーラスが、神秘的な気持ちにさせる。
12King Of The Street
コーエーテクモゲームス『真・三國無双8』のテーマ・ソング。早弾きギター・イントロから終盤まで勢いが一度も落ちない、ハイテンションなロック・チューン。パワフルなヴォーカルとギターが一騎当千の猛者を思わせる。
13Purple Pink Orange
サビに進むにつれ、徐々に音数が増えていく壮大なロック・バラード。“聞こえているよ 遠いその声は”“さまよう僕をいつまで 待っていてくれるの”と自分を導く見えない力への思いを綴っている。控えめながらツボを抑えたギター・ワークはさすが。