ミニ・レビュー
2006年に結成された3ピース・バンドのメジャー・ファースト・フル・アルバム。ニベア花王「8×4」CMソング「ともに」、フジテレビ系ドラマ『刑事ゆがみ』主題歌「ヒューマン」、au「三太郎シリーズ」CM「やってみよう」ほか、ヒット曲が満載。前向きになれるパワフルなパンク・ロックばかりを全14曲収録。
ガイドコメント
メジャー1stアルバム。キッコーマンの東京2020応援コンセプトムービー・ソング「CHARM」のほか、ニベア花王「8×4 ボディフレッシュ」CMソング「ともに」、フジテレビ系木曜劇場『刑事ゆがみ』主題歌「ヒューマン」などを収録。
収録曲
01JUICE UP!!のテーマ
“クセになる音に乗って”というフレーズに嘘偽りない、炎天下で騒ぎまくれるパーティ・チューン。“ya ya ya〜”から“ベロベロバーベッベッベロベロバー”のフックや“タイガー、ファイヤー”以下のミックスが飛び交うホットなラガ・ロックだ。
02OLE!!
畳み掛けるドラミングとともに“あっとゆー間にエンディング”を迎えるパンキッシュなロック・チューン。不愉快な世の中や意地っぱりに構わず、生きてることに感謝しながら弾けようと歌う、音に乗せたエール・ソングだ。
03シグナル
未熟で挑戦し始めた頃から時が経ち、未完成のままでもいいじゃないか……好きにやってダメでもまた顔を上げて走り出せばいいというエールに胸が熱くなる。中盤のクラップからヘイ!ヘイ!のコールへと繋がる展開に力がみなぎり励まされる、ホットなロック・チューンだ。
04CHEEKY
快活にエロを叫ぶ痛快なパーティ・チューン。レゲエ、スカ、パンクなどの要素を“ゴキゲン”というコンセプトで混ぜ合わせたようなアッパーなサウンドは、勝手に踊りだすのに十分過ぎるポテンシャル。“アチャチャチャチャ…”の雄叫びとともに昇天間違いなしだ。
05ヒューマン
ドラマ『刑事ゆがみ』主題歌へ書き下ろした配信シングル。逆境や壁に立ちはだかれ、もがきながら答えの見えない明日へ向かって進む主人公の心情を映した人間味にあふれるアッパー・ロック。“なぁ何処で間違えたんだろう?”という問いかけが胸に沁みる。
06花火
子供の頃に見た夏の夜空に大輪を咲かせる花火に想いを馳せ、その時に描いた夢を噛み締める。懐かしい原風景とともに夢を思い出させてくれるエモーショナルなパンク・チューン。軽快でリズミカルなテンポで進むが、メロディアスな曲調がホロリとさせるところも。
07サブマリン
“漢を勃てるのが私の才能”などのフレーズからもわかるとおり、潜水艦を意味するタイトルは下ネタ路線のメタファー。エロなパンチラインの連続をあくまでもポップかつキャッチーに畳み掛けるのがWANIMAの真骨頂。シンガロング必至のアッパー・ロックだ。
08CHARM
新しい環境で頑張るみんなのお守りになれば、という思いで作った、メジャー初シングル「Gotta Go!!」収録曲。ポップなロック・サウンドのなかで、四季の移ろいを感じるような懐かしくも爽やかな匂いを帯びた作風が魅力。彼らのエールが胸に飛び込んでくる。
09ANCHOR
静かなギター・イントロは、陽がのぼる前に碇を揚げて港を出ていく光景か。帆を張って波に揺られながら航海に出る姿を、不安や絶望に打ちひしがれながらも前へ進む日々にたとえている。センチメンタルなメロディも覗かせる、グルーヴィなパンク・チューンだ。
10やってみよう
“三太郎シリーズ”として人気のau CMソングとして話題に。童謡の「ピクニック」をWANIMA流にリメイクしたグルーヴィなポップ・ロックで、“やってみよう”や“トライ、トライ”の掛け声も楽しい。恐れず迷わずチャレンジしようと背中を押す応援歌だ。
11エム
1stアルバム『Are You Coming?』に収録された「エル」に対し、そのアンサーソングともいえそうなメロコア・チューン。幼い頃から支えられてきたキミへの想いを吐露する、KENTAの心情がギュッと詰まったメッセージに涙腺が緩む。
12SNOW
笑いやお祭りモードのパーティ・チューンが多いWANIMAだからこそ沁みてくる、センチメンタルなバラード。タイトルや鈴の音のアレンジこそウィンター・ソングのそれだが、奏でられるのは失った人へのレクイエム的な楽曲。後悔や虚しさを呟く悲しきラヴ・ソングだ。
13ともに
“青春・部活・汗”をテーマに制作した「8×4」CMソングへの書き下ろし。爽やかな青春という一面だけでなく、ツラい練習や失敗に挫けそうになる日々にぶつかってきたというネガティヴな気持ちを、キャッチーなパンク・サウンドに昇華。胸躍るホットな応援歌だ。
14Everybody!!
メジャー1stアルバムのタイトル曲。耳に残る“ラーラララ”のフックと元気よく弾けるパンキッシュなロック・サウンドが痛快。生まれたことへの感謝と明日への希望を、フットワーク軽く紡いでいく。WANIMA流“人類みな兄弟”的なメッセージが詰まっている。