ミニ・レビュー
第4番の次に第9番を持ってきたところがいかにも佐渡らしい。その思いの熱さがそのまま音になった。厳しくも美しいブルックナーの世界が、無理することなく広がっていく。天上に上るかのように終わった終楽章の後に立ち上ってくる笙が、ゆっくりと現実に引き戻してくれる。すばらしい選曲だ。
ガイドコメント
佐渡裕が音楽監督を務めるトーンキュンストラー管弦楽団と録音したブルックナーの交響曲第9番と武満徹の「セレモニアル」。厳しくも美しい交響曲が終わったあと、深い沈黙から笙の響きが立ち上り、武満の音楽がはじまる瞬間には息を呑む。
収録曲
ブルックナー:
01交響曲第9番ニ短調
武満徹:
02笙と管弦楽のための「セレモニアル-An Autumn Ode-」
演奏
佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団 (2)宮田まゆみ(笙)