ミニ・レビュー
85年の録音。晩年のカラヤンは高音域の美しさや繊細さを求めていたが、この録音でも低音域の膨らみを抑えつつ、中高音にツヤとハリを持たせるようにバランスを整え、劇的な効果よりも美しく敬虔な表現を意図している。それに応えるオケやソリストたちの献身的な歌唱が感動的だ。
ガイドコメント
カラヤン指揮ベルリン・フィルによるベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」(85年録音)。若手歌手の起用により、独唱や重唱の隅々にまで繊細な美しさと敬虔な情感を徹底した晩年のカラヤンならではの格調高い演奏が、深い感動を呼び起こす。
収録曲
ベートーヴェン:
01ミサ・ソレムニス ニ長調op.123-4人の独唱者、合唱、管弦楽とオルガンのための
演奏
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン楽友協会合唱団 レラ・クーベッリ(S) トルデリーゼ・シュミット(A) ヴィンスン・コウル(T) ジョゼ・ヴァン・ダム(BS) レオン・シュピーラー(VN) デイヴィッド・ベル(OG)