ミニ・レビュー
速度や響きの対比によって音楽の表情が変幻する昨今の古楽器演奏に較べると、リヒターの演奏はいかにも生真面目。しかしその脇目を振らぬ律とした佇まいが、収録作の晴れやかな響きと出会って、あざとさ無縁の気分を醸し出す。唯一の世俗カンタータ録音を含む、リヒターのカンタータ集成の補遺的一枚。
収録曲
J.S.バッハ:
01カンタータ第26番「ああ いかにはかなき、ああ いかにむなしき」BWV26
02カンタータ第51番「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」BWV51
03カンタータ第189番「わが魂は頌め讃う」BWV189
04カンタータ第202番「しりぞけ、もの悲しき影」 (結婚カンタータ)BWV202
演奏
カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団 (1)ミュンヘン・バッハ合唱団 (1)ウルズラ・ブッケル,(2)(4)マリア・シュターダー(S) (1)ヘルタ・テッパー(A) (1)(3)エルンスト・ヘフリガー(T) (1)テオ・アーダム(BS)