ミニ・レビュー
ブルックナー独特の響きや語り口が未だ確乎と落着することなく現れるこの交響曲の特異な面白さを、ヤルヴィは後年の音の姿に引き寄せて聴かせるのではなく、響きの仕掛けや音楽の組み立ての風変わりをあえてゴツと収まらぬままに見せることで、この作曲家の原初の音が持つ清新な独自性として際立たせる。
ガイドコメント
ヤルヴィとフランクフルト放響とのブルックナー・シリーズ第7弾。ヤルヴィは第1稿のリンツ稿を使用している。その徹底したスコア・リーディングで新鮮なブルックナー像を提示してきたヤルヴィによる新しい“第1番”。
収録曲
ブルックナー:
01交響曲第1番ハ短調WAB.101 (1866年リンツ稿 (ノーヴァク版))
演奏
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 フランクフルト放送交響楽団