ミニ・レビュー
カウンターテナーの歌唱がどこまでカストラートに迫ることができるのか、という評価軸を超えて、CTとしての技巧を磨き上げながら、バロック・オペラの中で純粋にどこまで通用するものなのか(=カストラートの代用でなしに!)。音域、表現力、声質、&知性、ファジョーリはその頂点に立った。
ガイドコメント
素晴らしいカウンターテナーが続々登場するなか、その官能的歌声が独自の光を放っているファジョーリによる、ドイツ・グラモフォン2枚目となる国内初のアルバム。ヘンデルの傑作アリアを自身の選曲でまとめ、見事な歌唱を聴かせている。
収録曲
ヘンデル:
01歌劇「オレステ」〜激しい嵐に揺さぶられても
02歌劇「セルセ」〜優しく美しい葉
03歌劇「セルセ」〜かつて木陰ほど
04歌劇「セルセ」〜恐ろしい地獄の残酷な復讐の女神が
05歌劇「リナルド」〜愛しい妻、愛しい人よ
06歌劇「リナルド」〜風よ、暴風よ、貸したまえ
07歌劇「イメネーオ」〜もしも私のため息が
08歌劇「忠実な羊飼い」〜私は胸にきらめくのを感じる
09歌劇「ロデリンダ、ロンバルドの王妃」〜死のむなしい栄華
10歌劇「ロデリンダ、ロンバルドの王妃」〜あなたはどこにいるのか、愛しい人よ?
11歌劇「エジプトのジューリオ・チェーザレ」〜花咲く心地よい草原で
12歌劇「アリオダンテ」〜嘲るがいい、不実な女よ、情人に身を委ねて
13歌劇「アリオダンテ」〜暗く不吉な夜の後に
14歌劇「パルテノペ」〜私に行けと?
演奏
フランコ・ファジョーリ(C-T) イル・ポモ・ドーロ ゼフィーラ・ヴァロヴァ(VN)