ミニ・レビュー
いくらでもゴテゴテやれそうなマーラーとR.シュトラウスを、唖然とするばかりの精密さと非情なばかりの端麗辛口で描き通すセル。聴き手を情で酔わすことはない。むしろもっと醒めた眼と手つきで、曲のありようを隈なく届ける。第6番はライヴ録音だが、その完成度の高さは比類ない。
ガイドコメント
ジョージ・セルが1958年から1967年まで、クリーヴランド管弦楽団と録音したすべてのマーラー録音を集大成した3枚組。第4番はセルがもっとも多く指揮したマーラーの交響曲で、透徹した響きで作品の不気味さを炙り出している。
収録曲
マーラー:
[Disc 1]
01交響曲第4番ト長調
[Disc 2]
01交響曲第6番イ短調「悲劇的」
[Disc 3]
01交響曲第10番嬰ヘ短調〜第1楽章 アダージョ/第3楽章 ブルガトリオ (クルシェネク編)
R.シュトラウス:
02家庭交響曲op.53
演奏
ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団 [1] ジュディス・ラスキン(S) ラファエル・ドルイアン(VN)
録音
[1] 65.10 [2] 67.10 [3] (1)58.11 (2)64.1