ミニ・レビュー
オンブラ・マイ・フがどうフィリップ・グラスと結びつくのか。「ヘンデルにより道が定まり、グラスにより変貌した」ロス・コスタンツォの真骨頂が聴こえる。単なる歌唱の分類を超えて、カウンターテナーの表現領域とその潜在能力の独自性を分かりやすい形で提示してくれた素敵なアルバム。★
ガイドコメント
カウンターテナー歌手、アンソニー・ロス・コスタンツォによるアルバム。歌舞伎役者の市川海老蔵との共演など、活躍の幅を広げるコスタンツォが、ヘンデルとグラスという、古典と現代のオペラ界の巨匠の名曲を歌う。
収録曲
01歌劇「ワンサウザンド・エアプレインズ・オン・ザ・ルーフ」〜エンカウンター (グラス)
02歌劇「ガリアのアマディージ」〜苦悩の嵐が (ヘンデル)
03歌曲集「ソングズ・フロム・リキッド・デイズ」〜リキッド・デイズ (グラス)
04歌劇「ロンバルディア王フラーヴィオ」〜軛を絶ち (ヘンデル)
05歌劇「リナルド」〜涙の流れるままに (ヘンデル)
06歌劇「モンスターズ・オブ・グレース」〜槌を振り下ろして (グラス)
07歌劇「ロンバルディア王妃ロデリンダ」〜生きるがよい、暴君め (ヘンデル)
08歌劇「エジプト王トロメーオ」〜冷酷な弟 (ヘンデル)
09歌劇「エジプト王トロメーオ」〜苦渋の滴よ (ヘンデル)
10歌劇「アッシャー家の崩壊」〜生き物たちの息遣い (グラス)
11歌劇「セルセ」〜オンブラ・マイ・フ (ヘンデル)
12歌劇「アクナーテン」〜アテン (太陽)讃歌 (グラス)
演奏
アンソニー・ロス・コスタンツォ(C-T) ジョナサン・コーエン(指揮,HC) レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ