ミニ・レビュー
近年特にロマン派以降の歌曲演奏に力を入れているピオーの2017年録音は、満を持してのロマン派から近現代に至る歌曲アルバムである。抒情性豊かでありながらヴィヴラートの少ない彼女の声は作品の輪郭を丁寧に浮き上がらせ、ピアノとの響きの調和も見事。全体に“詩”を感じる選曲も魅力的だ。★
収録曲
01ああ向けて下さい、悲しみの聖母よ (レーヴェ)
02ゲーテ「ヴィルヘルム・マイスター」による歌曲集〜君よ知るや (シューマン)
03君の顔を (シューマン)
04はすの花 (シューマン)
05「雅やかな宴」第1集 (ドビュッシー)
06アイヒェンドルフ歌曲集〜秘められた恋 (ヴォルフ)
07メーリケ歌曲集〜ニクセ (水の精)のビンセフース/捨てられた乙女/風の歌 (ヴォルフ)
08エリザベス朝の五つの歌〜眠り (ガーニー)
09心よ、あの人を忘れよう (バクサ)
10よくある話 (プーランク)
11「それでも、と、まだ」op.41〜峠に孤立したホテル (バーバー)
12「転身物語」〜お前はこんなふう (プーランク)
13三つのディキンソンの歌 (プレヴィン)
演奏
サンドリーヌ・ピオー(S) スーザン・マノフ(P)