ミニ・レビュー
エキゾティックな幻想を誘う“お伽世界”として西欧様式の中に脚色され取り込まれた東方の音の形を、東西接点セルヴィアの血を持つネマニャは、曲によって大胆に原曲に手を入れ、その異質な音の生理を直截ヴィヴィッドなノリであらわにして音楽の貌をガラリ斬新に変えて魅せる。容赦ない思い切りが痛快!
ガイドコメント
ネマニャ・ラドゥロヴィチのドイツ・グラモフォン第5弾、通算6枚目のアルバム。メインのハチャトゥリアンの協奏曲は民族色濃厚な作品。ネマニャの濃い演奏が聴きものだ。「シェヘラザード」はネマニャに合わせた弦楽合奏版。
収録曲
01ヴァイオリン協奏曲 (ハチャトゥリアン)
02シェヘラザード-独奏ヴァイオリン、弦楽アンサンブルとピアノのための組曲 (リムスキー=コルサコフのop.35に基づくアレクサンダル・セドラーによる) (リムスキー=コルサコフ)
03クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲 (ハチャトゥリアン)
04サヴチョ3 (セドラー)
演奏
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(VN) (1)サッシャ・ゲッツェル指揮 ボルサン・イスタンブール・フィルハーモニー管弦楽団 (2)ドゥーブル・サンス ステファニー・フォンタナローザ(P) (3)アンドレアス・オッテンザマー(CL) ロール・ファヴル=カーン(P) (4)ドゥーブル・サンス アレクサンダル・セドラー(PERC)
録音
(1)2018.3 (2)(4)2018.1,2 (3)2018.6