ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 / 4つのバラード　カッチェン(P) モントゥー / LSO

ミニ・レビュー

カッチェンのピアノは精緻な技巧でブラームスの作品が内包する世界を丁寧に描き出していく。幅広い音楽性も持ち合わせており、「ピアノ協奏曲第１番」ではモントゥーの躍動感ある導きも相まって、多彩な表情を次々に紡ぎ出していく。独奏の「バラード」も重厚さと繊細さのバランスが見事だ。

ガイドコメント

ジュリアス・カッチェンによる、ブラームスのピアノ協奏曲第1番、4つのバラードを収録。カッチェンの整然とした安定感のある音色が、ブラームス作品の瑞々しさとともに引き出される。

収録曲

ブラームス:

01ピアノ協奏曲第1番ニ短調op.15

024つのバラードop.10

演奏

ジュリアス・カッチェン(P) (1)ピエール・モントゥー指揮ロンドン交響楽団

録音

(1)59.3 (2)62.10

アーティストおよび作曲家

ピエール・モントゥー
指揮者。1875年パリ生まれ。1964年没。パリ音楽院でヴァイオリンを学び、オペラ・コミーク座、コロンヌ管に入団。指揮活動は1905年から開始。11年にはディアギレフのロシア・バレエ団の指揮者を務め、『春の祭典』の初演を振る。その後、メトロ……

ロンドン交響楽団
英・ロンドンを拠点とするオーケストラ。略称は“LSO”。1904年に創設され、82年よりロンドンのバービカンセンターを本拠地として活動。ロイヤル・フィルとともに発展し“女王陛下のオーケストラ”とも称される。米・ニューヨークや欧州各地、日本を……

ジュリアス・カッチェン
1926年8月15日、アメリカのニュージャージー州生まれのピアニスト。1969年4月29日、パリにて没。11歳の時モーツァルトの協奏曲で鮮烈なデビューを飾ったが、両親の勧めで学業も継続、ハーヴァーフォード大学で英文学と哲学を修める。卒業後、……

ヨハネス・ブラームス
1833年生まれ。1897年没。バッハ、ベートーヴェンと並び3大Bと呼ばれる、ドイツ・ロマン派の作曲家。ピアニストとして活躍し、シューマンに見出され、強くドイツ古典派を意識した作品を作り、ハンスリックに支持される。オペラの作品はない。……

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