ミニ・レビュー
何とエネルギッシュで情熱的な歌唱なのだろう。沈鬱な曲が何と深く心に響くことか。20年前バルトリのCDをきっかけにヴィヴァルディ・ルネサンスが起こり、歌劇の大半がCDで聴ける時代となった。しかし、ここにはそれら凡百の演奏とは桁違いの表現がある。★
ガイドコメント
イタリアの女性メゾソプラノ歌手、チェチーリア・バルトリによるヴィヴァルディのオペラ・アリア集。人間のさまざまな感情を、深い愛情を込めて見事に歌い上げている。あまり知られていない作品が中心の、バルトリのデッカ専属契約30周年記念アルバム。
収録曲
ヴィヴァルディ:
01「アルジッポ」〜ゆっくりとしてなおも雷鳴が (第1幕1場)
02「狂乱のオルランド」〜ただ君によってのみ、わたしの優しき愛の女 (ひと)よ (第1幕11場)
03「狂乱のオルランド」〜ああ、急ぎ逃げよ (第2幕3場)
04「ジュスティーノ帝」〜予は喜びをもって見るであろう (第1幕7場)
05「ラ・シルヴィア」〜あの小鳥は、嬉しげに (第2幕1場)
06「離宮のオットーネ」〜せめて読んでほしい、暴虐なる不実な女性 (にょしょう)よ (第2幕6場)
07「ためされる真実」〜その頬だけが (第1幕3場)
08「解放されたアンドロメダ」〜しばしば太陽は
09「ティート・マンリオ」〜戦うべし、高貴な心たるもの (第2幕11場)
10「ウティカのカトーネ」〜もし、万一、そなたの顔に吹き寄せるのを感じたなら (第2幕3、4景)
演奏
チェチーリア・バルトリ(MS) ジャン=クリストフ・スピノジ指揮 アンサンブル・マテウス