ミニ・レビュー
とりたてて聴きたくなる存在でもなかった音楽が、ある演奏をきっかけにして実はとんでもなく面白い作品だったと気付かされることが、たまに(!)ある。リシエツキの感性が紡ぎだしたメンデルスゾーンでは、智の論理がコントロールするかに見える地平に感情の息吹が迸り出る。まさにこれだった。★
ガイドコメント
リシエツキの第5弾。15歳でドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだリシエツキも23歳。指揮者を置かないオルフェフスco,との共演で、メンデルスゾーン22歳と28歳の時の作品を。清廉なロマンティシズムを醸し出している。
収録曲
メンデルスゾーン:
01ピアノ協奏曲第1番ト短調op.25
02厳格な変奏曲ニ短調op.54
03ピアノ協奏曲第2番ニ短調op.40
04ロンド・カプリチオーソ ホ長調op.14
05無言歌集op.19b〜第6曲 ト短調「ヴェネツィアの舟歌第1」
演奏
ヤン・リシエツキ(P) (1)(3)オルフェウス室内管弦楽団