ミニ・レビュー
やっぱこの人は、昔からとってもナルシストだったんですね。自分の歌にグッと酔いしれながら熱唱する姿がありありと浮かんでくる歌ばかりだ。歌声に妙に気負いと勢いが混じっているのも、若さ故の魅力。今聴いてもまったく古さを感じさせないのが嬉しいね。
収録曲
01黒く塗りつぶせ
アルバム『ドアを開けろ』からシングル・カットされた、ブルース進行のロックンロール・ナンバー。ベースを中心としたファンキーなグルーヴとテンションの高いエネルギッシュなヴォーカルが魅力。作詞は西岡恭蔵が担当している。
02I SAY GOOD-BYE、SO GOOD-BYE
矢沢永吉、6枚目のシングル曲。グルーヴィなピアノで始まるファンク・ロック・チューンで、ハスキーがかったヴォーカルとバックの華麗なストリングスが独特の哀愁を醸し出す。リリース直前に矢沢本人の意向で再録音されたことでも有名。
03写真の二人
3rdシングル「ひき潮」のカップリングに収録されたシャッフル基調の哀愁ソング。矢沢永吉自らが作詞を手掛けた数少ないナンバーの1つで、幸せだった青春の甘い想い出が甦る切ない歌。泣きのツイン・ギターも印象的。
04サブウェイ特急
ソロ・デビュー・アルバム『I LOVE YOU,OK』に収録の軽快なポップ・チューン。ビートルズの曲名などを交えながら男の生きざまを説くナンバーで、矢沢永吉が歌うことで説得力が発揮されている。作詞は松本隆が担当。
05アイ・ラヴ・ユー、OK
1975年に発売されたソロ・デビュー・シングルから、今でも人気曲として挙げられるのも納得のバラード・ソング。顔を赤らめるようなちょっとキザな歌詞を、サラッとかっこよく歌いこなせるのも矢沢だからこそ。
06天使たちの場所
糸井重里が作詞を手掛けたミディアム・バラード。ウクレレやクラヴィ、オルガン、クラリネットなど、さまざまな楽器を駆使した意外性のあるバッキング演奏が、矢沢永吉の人間臭いヴォーカルを際立たせる隠れた名曲。
07恋の列車はリバプール発
ソロ・デビュー盤『I LOVE YOU,OK』に収録の軽快なロックンロール・ナンバー。分厚い女声コーラスやブロウするサックス・ソロなど、にぎやかなサウンドが特徴的。ジョンとポールが登場する歌詞も実にハッピーだ。
08雨のハイウェイ
ストリングスとベースのユニゾンで始まるソフトなポップ・ナンバー。別れた恋人の思い出を振り切ろうと車を飛ばす歌で、悲しい中にもほのかに漂う爽やかさが魅力的だ。ソロ・デビュー盤『I LOVE YOU,OK』に収録。
09ひき潮
3rdシングルとしてリリースされた失恋バラード・ソング。メロウな旋律を情感豊かに歌いあげる矢沢永吉ならではのスウィートなヴォーカルが聴きどころ。エンディングではファルセットも交えたスキャットを披露。
10時間よ止まれ
目の前に太平洋の大海原が浮かんでくるような、スケールの大きさとメロウな感覚が同居する様は矢沢ならでは。夏にピッタリのこの曲がミリオン・セラーとなり大ブレイク、一気にその名を世間に知らしめるきっかけとなった。
11真夜中のロックンロール
リハーサル風景のようなイントロで始まる軽快なロック・チューン。ブラス隊や分厚い女声コーラスによる華やかなサウンドと、モータウンのような強力なグルーヴが魅力。矢沢永吉が作詞を手掛けた数少ないナンバーのひとつ。
12トラベリン・バス
2ndアルバム『A DAY』収録のポップ・ナンバー。各地をバスで移動するツアーの厳しさを綴った歌で、Bメロのコブシにも似た歌いまわしや軽快なサックスをバックにアメリカの都市名を連呼するサビなどが特徴的だ。
13せめて今夜は
失恋で傷付いた者に「歌おうぜ」と優しく声をかけるファンキーなロック・ナンバー。静かなバラード調のイントロや緩急のあるフレーズを繰り返すエンディングなどが聴きどころ。4thシングル「黒く塗りつぶせ」のカップリング曲。
14バイ・バイ・マイ・ラヴ
アルバム『ドアを開けろ』に収録の軽快な16ビート・ポップス。若かりし青春を振り返るノスタルジックな1曲で、ピロピロ響きわたるシンセの起用や粋なフレーズを経ての転調など、洗練されたアレンジが光る。
15A DAY
2ndアルバムのタイトル曲。悲しい過去にさよならを告げて、これからの2人の愛を誓うラブ・バラード。なめらかなストリングスと美しい女声コーラスをバックに響きわたる、矢沢永吉の甘いヴォーカルが味わいどころだ。
仕様
CDエクストラ内容:矢沢永吉70'Sフォトストーリー (未公開写真や本人語り下ろしインタビュー)