打楽器と低域楽器を多用し、非西欧的リズムとパワフルな響きを陸続と繰り出して土俗的ともいえる生命エネルギーを放出させる池野 成の作品を、その初演当時の貴重な録音を中心に聴く硬骨なる手ごたえの集成。生まれたばかりの曲に演奏者たちがのせる熱い共感が時を超えてヒシと伝わってくる。強靭な音だ。

東宝特撮映画３作のサウンドトラックを収めたボックス・セット。『美女と液体人間』(1958年)ではマーサ三宅(当時の芸名は三宅光子)のジャズ・ヴォーカルが光る。『電送人間』(1960年)は同一メロディのヴァリエーションが目立つ。『ガス人間第一号』(1960年)では「藤千代のテーマ」がインパクト大。