
冒頭のチャーリー・チャップリン「Smile」から、甘いヴォーカルとシンプルなピアノにうっとり。メリー・ホプキン「悲しき天使」では切ないムードをめいっぱい振りまいたりと、名曲の持つ豊かさがあらためて感じられる。新居昭乃を構築する洋楽6曲を収めた、自身初のカヴァー・アルバム。

女性シンガー・ソングライター、新居昭乃のアーティスト活動30周年したアルバムが登場。配信のみだったゲーム『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』の主題歌「LostArea」や他アーティストへ提供した楽曲のセルフ・カヴァーなど、ピアノの弾き語りスタイルをメインにした、美しい楽曲が収録されている。

じつに4年ぶりとなる女性シンガー・ソングライターのシングルは、TVアニメ『まおゆう魔王勇者』のエンディング・テーマ。耳を澄ましていないと聴き逃してしまいそうな、ささやかな祈りに似た歌声を、柔らかなストリングス、透明なピアノ、力強いドラムスといった楽器群が守るように包み込む。

アニメやゲーム主題歌、CMソングなど30年近いキャリアを持つ新居昭乃の3年ぶりとなる7枚目(6枚目『Red Print』も同時発売)。透明感や儚さというイメージのある囁くような歌声はそのままに、奥に秘めた強い想いを感じさせるアルバムとなっている。既発曲もすべて新MIXなのでファンは必携。

四半世紀のキャリアを誇るベテラン人気シンガー・ソングライターの力作(『Blue Planet』と同時発売)。映画『西の魔女が死んだ』テーマ・ソング「虹」のセルフ・カヴァーや、ラスマス・フェイバーとの共作「灰色の雨」など、入魂の14トラックを収録。詞やメロディをいつくしむように表現している。

前作から約1年半ぶりとなるシングル。「蜜の夜明け」はTVアニメ『狼と香辛料2』のオープニング・テーマ曲で、新居昭乃ならではの独特なメロディ・センスとノーブルなセンシビリティとが見事に共振したポップ・チューンに仕上がっている。情景の浮かぶ世界観も印象的。

時流にのまれることなく独自の歌世界を紡ぎ続けるアーティストの5枚目となるアルバム。“球体”という宇宙観をコンセプトに編まれた13曲は、どれも柔らかい泡の中で浮かんでいるような不思議な心地よさを覚える。水彩画のような透明感と叙情的な神秘性が格別。

テレビ東京系のテレビ・アニメ『ARIA The ORIGINATION』のエンディング・テーマ。原作者からのラブ・コールで実現したコラボレーションというわけだが、エンヤにも似た、静寂さの中で強く生き続けることの美しさを綴ったような音作りが魅力的。

アルバム『sora no uta』に続くシングル。エレクトロニカ的電子音+椎野恭一とTOKIEの引き締まったリズム+ストリングス、というデリケートなサウンドと、彼女のクリスタル・ヴォイスがうまくフィット。独自の幻想的で不思議な空気感を生み出している。

“どこかに行ける音楽”を追求して、多くのアーティストやアニメ、CMなどの楽曲を手がけている新居昭乃の20周年記念アルバム。アルバムに未収録だった「覚醒都市」や、新録の「美しい星」など充実した内容。限定盤にはライヴ映像を収録したDVD付き。

アコースティックな肌触りを全面に押し出した、エレクトロニカな世界観を描きあげてゆく新居昭乃。彼女の歌声自体が、とても絹肌な柔らかさを抱いてるがゆえ、楽曲もまたその声へ寄り添うよう、幻惑的でパラレルな夢空間物語を描きあげてゆくのだろう。

アニメ『KURAU Phantom Memory』の主題歌に起用。壮麗な楽曲の多い新居昭乃にしては珍しい、ポップ・センスを強調した明るく透明度の高い楽曲だ。楽曲全体にデジタルな音と多彩なコーラスを配色。とはいえ、生な肌触りを感じさせてくれる点が嬉しい。

アニメ『東京アンダーグラウンド』のエンディング曲。楽曲という大きな空間の中で、ノスタルジックな音の調べ達がアンニュイな物語を構築してゆく。聴いてくうちに悠久の世界観へと誘ってゆく。とても幻想的かつロマンティックな新感覚派のアンビエント・ポップス作の誕生だ。★

98年以降の番組テーマ曲や未発表曲などを集めた編集盤。彼女の歌はクリスタルで繊細な声質の中に、あどけなく無垢な表情を見せているのが魅力。アコギやストリングスなど生楽器を多用したまろみのある音とよく溶け合い、独自のノスタルジックな世界を築いている。

天界・地上世界・地底世界の不思議空間を舞台に繰り広げられる、人間になりたいと願うロボット・パルムの旅。そんな『パルムの樹』のテーマ・サウンドトラックだ。新居昭乃によるテーマ・ソング、挿入歌など、あふれてくる優しい希望の物語を彩る気持ちのいい小作品集だ。

極私的宇宙とでも言えばいいのだろうか。彼女の感性がそのまま音世界になって展開される。といって取っつきにくさは微塵も感じられず不思議な温もりに満ちている。ペンタグルを思い起こさせるメロディ展開も面白く、繰り返し聴いてほしい作品だ。

大理石に刻まれたアルカイック・スマイルを思わせる貧血ぎみの身体性と森の奥の湖水を想像させる透明感とがヴォーカルを支配している。ケルトの伝説を想起させ、眠り続ける森の精というのがいるなら、そいつが隣に来ている感じのベスト・アルバム。

世界歌謡祭でうたった「金色の目」をフィーチャーした1stアルバム。風に流される雲で、テラスに差し込む陽が明るくもなるし薄暗くもなるように、彼女の歌も流れるように陰影をつくり出している。女に近い女のコのドラマをさりげなく聴かせる。