
シングル中心のベスト盤を高音質化。斉藤由貴の曲は本人以外の声では成り立たないのだとあらためて思う。もちろん彼女向けに作られたからというのもあるだろうが、それを彼女が解釈し声をのせるともう、独壇場の世界である。「いつか」「なぜ」など私小説風の中期を経て近年の曲で魅せる艶も美しい。

デビュー30周年記念作品。若い時期を過ぎ、いつしか自分だけでなく、すべての人の幸せに思いを寄せる詩が胸を打つ「窓あかり」。ピアノとヴォーカルの同時録音で、静寂の中に漂う緊張感が伝わる「永遠」。谷山浩子と武部聡志という、歌手活動を語る上で不可欠な2名が参加した日本語の新曲が白眉。★

木村カエラ「Butterfly」などの楽曲提供で知られる末光篤が斉藤由貴をフィーチャーしたシングル。作詞に森雪之丞を迎えたタイトル曲は、淡い初恋のような大人の恋を歌ったデュエット・ソング。カップリングの「世界」は、末光篤が作曲、斉藤由貴が歌詞を手がけた荘厳でクラシカルなナンバー。★

LP時代よろしく四つ折りの歌詞カード、過不足なくセレクトしたおなじみの曲、12曲で1,500円という価格と、モバイル・プレーヤー時代にジャスト・フィットのお徳用シリーズ。“あの頃”耳に馴染ませた歌謡ポップスを、家の外でふたたび。明るい昨日よ、こんにちはだ。

セルフ・カヴァーで甦る斉藤由貴の名曲の数々。どうしてもオリジナルと比べられるカヴァーものは難しい。比較的シンプルな3、4曲目がいい。リミックスの5、6曲目は無理に21世紀化した感もあるが、これはこれで珍なる風味。本人の歌唱に衰えがないのが最大の収穫だ。

テレビ・アニメ『レ・ミゼラブル 少女コゼット』主題歌。歌うは女優の斉藤由貴であるが、ヨーロッパの街並みや山々を連想させる爽やかな楽曲に対し、かつてのアイドル時代を彷彿させる清楚な歌声がばっちりハマっている。さすが『世界名作劇場』の曲である。

宮藤官九郎が脚本を担当した昼ドラマ、『吾輩は主婦である』の主題歌。歌うはドラマ内で夫婦という設定の斉藤由貴&及川光博からなるユニット、やな家(け)。クドカンのほのぼのした作詞が微笑ましい。そんな世界を具現化したクリップを収録したDVD付き。

歌手活動後半期にあたる80年代末から94年までをまとめた6枚組コンプリート・ボックス。そうそうたる作家陣に囲まれてピュアな感性がのびのび育っていく過程が記録されている。シングルのリミックスほかアルバム未収録曲を集めた“お宝ディスク”が目玉。

斉藤由貴の歌手活動を集大成するボックス・セットその1。『AXIA』から『TO YOU』までを復刻した6枚組。アイドルとして一番輝いていたころの魅力たっぷり。斉藤本人のコメントやディレクターとの対談、ポスター・ギャラリーなど懇切丁寧なブックレットが素晴らしい!★

なんだか、すごく浮世離れしちゃったなぁ、斉藤由貴。全作詞およびプロデュースは本人という意欲作。いきなりモノローグではじまるあたりが意欲作。斉藤由貴の内なる世界をレビュー風にまとめたコンセプトアルバム。美しい世界だが、のめりこみ方が怖い。

“moi”とはフランス語で“私”の意味を持つ。そのタイトルが示す通り、このアルバムは彼女の本質に一番近い作品集に仕上がっている。しかも英詞を始め本当にたくさんのジャンルの歌にも挑戦し、常にアーティストとして成長しようとする想いが凝縮されている。

全曲自作の詩によるアルバム。自分をはげますでも甘やかすでもない、内向的な女心を少し突き離して自分の言葉で描いている豊かな才能感じさせるひたむきで清々しい作品。くどいくらいのほうが興味深いものになっている。山口美央子の曲がぴったり。。

堀ちえみ、おニャン子クラブ、岡田有希子、斉藤由貴と'85年大活躍したキャニオンが誇る当代のヤングアイドルのヒット曲を4曲ずつ計16曲をパックしたお得用アルバム。一度しかない青春のページをそれぞれの個性で綴ったこのアルバム、贈り物に最適。

スケバン好きにはたまらん企画物。由貴・ナンノ・ユイの揃い踏み。スケバン主題歌関係総集編12曲入りLPサイズのピンナップ3枚付。それぞれの表現/姿勢の違いは現代アイドル基本3タイプ。強くて優しい理想像は実は伝統的だったりして。

全曲、崎谷健次郎の作曲・編曲による。ユーロビート調からシャンソン風までとアレンジは多彩だが、斎藤由貴はあくまでも自分の守備範囲内で歌っている。さすが未来の大女優。どんな曲調の歌をうたっても、なんか妙に落ち着いている。そこが面白い。

素ピンのままの歌声で現れるたびに、清く整えることを飾ると思っている古風な娘さんに会う気分にしてくれる斉藤由貴のミニ・ブック・スタイルのアルバム。英語詞の(3)のほほえましきこと。(1)は彼女の歌声がもっとも生き生きとしている。

(7)のような、ゴージャスなバックの付いた曲は例外として、由貴ちゃんはバラードの方が、彼女の技量、演劇性を考え併せるといいみたい。でも、シッチョリした歌い口は長く聞くと時に重い。でもよくまとまった作品。

『ガラスの鼓動』『チャイム』『風夢』の中から由貴の自作詞曲だけを集めたアルバム。すごく品がいいの。武部聡志の編曲の力もあるのだろうが、これはこれできちんとした自作自演。崎谷健次郎との民話的幻想はずいぶん面白い。おすすめします春の先駆け。

ファンの人なら当然知ってるはず(持ってるはず)だけど、これ、コーラス+由貴のヴォーカルのみの“ア・カペラ”アルバムなわけ。山下達郎がヒントなのだろうけど、大成功ですな。キュートな6曲入り。ジャケットも写真立てになっちゃう!!。

「MAY」「砂の城」をはじめ、当時のCMでおなじみだった「ONE」、自作詞5曲などなど。そう、タイトルどうり風の夢の天使が御降臨召されたのだ。初夏の淡青な空気が静かに漂う。神がかり的傑作だぞ。

当時超人気を誇っていた斎藤由貴のヴォーカルには、生身の女のコが持つ肉体とかいった類のものが、まだまとわり付いているようで不思議です。アイドルなどが持つスピード感を、彼女の生身の部分で押さえ込んでいるように思えてしまう。そのバランスは絶妙。

デビュー1年ちょっとでNHK朝のテレビ小説のヒロインを演ずるまでになった斉藤由貴の、4thアルバム。特に歌が上手いというわけではないのに不思議と彼女の歌声にはピンと張りつめた感性のひらめきを感じる。

『少年マガジン』のミス・マガジンをきっかけにタレント・デビュー、あっという間にスーパー・アイドルになった斎藤由貴のベスト盤。「卒業」「初戀」そして映画「雪の断章」の主題曲「情熱」の三部作からは、歌手よりもむしろ女優の素質が感じられる。

デビュー曲「卒業」、第2作シングル「白い炎」を含む斉藤由貴のファースト・アルバムがこれ。1986年の正月映画『雪の断章』での第1回主演も決まったころで、アイドル戦線の最先端を突っ走っていた当時の勢いが、そのまま凝縮されている。

87年の邦画正月作品はアイドル映画の対決となった。映画「恋する女たち」は'86年の顔となった斉藤由貴主演の青春ストーリー。主題歌“MAY”は大ヒット。サウンドスケッチというだけあって普通のサントラとは一味違ったたおやかな雰囲気を出している。