フリッパーズのおなじみナンバーを、原形を留めずいじくり倒して、かつリスペクトたっぷりにアレンジしたトリビュート盤。企画ものとして、これ以上に画期的で興味深い作品はそうそうないのでは?　参加しているサンプラーたちも、これからが期待されるキラ星ばかりの出色作。

ありそでなかった企画盤、元m-floのLISA、イノトモ、ロボショップ・マニア、スインギング・ポプシクルなどが参加している。フリッパーズ自体が“ポップ・ミュージック”というジャンルをトリビュートしているバンドであっただけに、ムズカシかったんじゃなかろうか?

マーブルチョコレートみたいにカラフルPOPで、万華鏡をのぞくようにいろんな世界が、曲毎に繰り拡げられてゆきます。ビートルズに聴かせたら何と言うかなと思っちゃいました。ジャケットもメチャ凝ってて、遊び心満載のこのアルバム−絶対凄い!

タミさんは野菊のようだったらしいが、フリッパーズは野草のようだ。緑の匂い、風にかすれる葉、大地の広さ、あらゆる要素がサウンドの体臭としてこちらに近づいてくる。デジタルな言葉選びまでもが自然と同化して野草の頑丈さに身を落ち着ける。

エル・レーベルでお馴染みのマイク・オールウェイが選曲・編集したフリッパーズのベスト・アルバム。1989年のシングルからラスト作となった『ヘッド博士…』まで全16曲、過不足なくチョイスされた楽曲は文句無しだ。ファン必携のメモリアル盤。