ミニ・レビュー
信州の森の奥にひっそりと佇む無言館で戦没画学生たちの遺した絵に囲まれて天満敦子が奏でる無伴奏の調べ。ストラディヴァリウスの響きは力強く、その旋律には温かい生命が宿る。弾き分けられた色彩が和の風趣へと誘う和田 薫の「譚歌五色」が聴きごたえ十分。
ガイドコメント
天満敦子が、長野県上田市にある無言館という戦没画学生の遺作が展示されている美術館で録音した無伴奏ヴァイオリンのアルバム。素晴らしい音響空間のなかで、「鳥の歌」や和田薫が天満のために書き下ろした「譚歌五色」などを切々と歌い上げている。
収録曲
01無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001〜アダージョ (J.S.バッハ)
02鳥の歌 (カタロニア民謡) (カザルス編)
03トロイメライ (シューマン)
04独奏ヴァイオリンのための譚歌五色 (たんかごしき) (和田薫)
05叱られて (弱音器付き) (弘田龍太郎)
06知床旅情 (森繁久彌)
07からたちの花 (山田耕筰)
08望郷のバラード (ポルムベスク)
09ジュピター (ホルスト)
10花は咲く (菅野よう子/和田薫編)