ガイドコメント
2005年にデビュー20周年を迎える吉川晃司のベスト・アルバムが、3レーベル、3枚同時発売。本ユニバーサル編では彼のデビュー最初期、「モニカ」や「サヨナラは八月のララバイ」などのヒット曲を収録。
収録曲
01モニカ
初主演映画『すかんぴんウォーク』の主題歌にしてデビュー曲(84年)。ビートの効いたサウンドと、そのビートに乗せることを意識した個性的な歌唱。そこに激しいボディ・アクションが加わり生まれた新型歌謡ロックは、当時一世を風靡した。
02サヨナラは八月のララバイ
2ndシングルとしてリリースされた軽快な8ビート・ポップス。吉川晃司のクセのある歌いまわしや随所に挿入されたガラスの割れる音などが特徴的。キザな歌詞は中森明菜の「少女A」などで知られる当時のヒット・メイカー、売野雅勇によるもの。
03LA VIE EN ROSE
80年代らしいエフェクティヴなイントロで始まるミディアム・ポップス。ひと夏のアバンチュールのようなシャレた恋心がテーマ。初期のナンバーの中では人気の高い曲のひとつで、2ndアルバムのタイトルにもなった。
04You Gotta Chance〜ダンスで夏を抱きしめて〜
主演映画第2弾『ユー・ガッタ・チャンス』の主題歌となったヒット・シングル曲。甘えたような歌い方にまだアイドルらしさの残るポップ・チューンで、Bメロからサビへの滑らかな展開やキャッチーなメロディが魅力。
05にくまれそうなNEWフェイス
イカした女性への高ぶる恋心をテーマにしたポップ・ナンバー。絶妙に軽い歌詞、吉川晃司のクセのある節回し、キャッチーな曲調、という3つが見事にフィット。80年代特有の力強い“タテノリ・ビート”が心地良い。
06RAIN-DANCEがきこえる
85年9月発表の6thシングル曲。強調されたドラムとベースによるファンキーなグルーヴと着実に歌唱力を上げる吉川晃司のヴォーカルが魅力的。パワー・ステーションなど、当時の洋楽の影響を強く感じさせる。
07Modern Time
シングル曲としては初めて吉川晃司が作詞作曲を手掛けたナンバー。派手さはないが味わいのある好楽曲で、アイドルからアーティスト路線への着実なシフトを印象づけている。映画『テイク・イット・イージー』の主題歌。
08すべてはこの夜に
沢田研二のヴァージョンでも知られる佐野元春作詞・作曲のミディアム・ポップ・ナンバー。リズムが倍になるサビでの早口気味のヴォーカルは、佐野のヴォーカル・スタイルに影響を受けている!? 西平彰のタイトなアレンジも聴きどころだ。
09終わらないSun Set
11thシングルとして発表された吉川晃司作詞・作曲の高品位なミディアム・スローなポップ・ナンバー。曲全体を覆うバラードにも近い情緒やサビへの心地良い転調、微妙にビブラートをかけたヴォーカルなど、味わいどころの多い人気曲。
10a day・good night
1stアルバム『パラシュートが落ちた夏』のラストに収録されているミディアム・バラード。夜更けの街中で“君”のことを想うクールなラブ・ソングで、アイドルながらも味わい深いヴォーカルを披露している。
11ポラロイドの夏
スムージーなイントロから一気に軽快なビートが刻まれるアップ・テンポ・ナンバー。ポップでキャッチーなメロディとメリハリのある曲展開が特徴的。2ndアルバム『LA VIE EN ROSE』に収録されている。
12Rainy Lane
エレピの静かなイントロからクライマックスのサビまで、80年代らしいオーソドックスな展開をみせるバラード・ナンバー。まだアイドル然とした甘い歌い方だが、メロディがしっかりしているためか耳なじみが良い。
13INNOCENT SKY
3枚目のアルバムのタイトルになったミディアム・バラード曲。ギター・ソロの合間に絶叫にも近いシャウトを入れるなど、かすかに当時のプリンスの匂いも感じとれる。ヴォーカルなどに、この頃から少しずつアーティスティックな側面が出始めた。
14無口なmoonlight
9thシングル「すべてはこの夜に」のカップリング収録されたミディアム・ポップ・チューン。バッキング演奏の若干シンプルなA〜Bメロとサウンドが厚くなるサビのコントラストが魅力的だ。
15A-LA-BA・LA-M-BA
5thアルバムのタイトル曲。吉川晃司の作詞・作曲による軽快なロック・ナンバーで、気の利いたブラス・セクションや粋なサイド・ギター、安定したヴォーカルなど、明らかにアーティストとしての成長が反映されている。
16HOT LIPS
デュラン・デュランを彷彿とさせる80年代ニュー・ロマンティック風ナンバー。ダンサブルなリズムや色鮮やかなシンセ・サウンド、キャッチーなサビ・メロディなどが魅力。シングル・リリースされる予定だったといわれるのもうなずける。
17サイケデリック HIP (SATISFACTION FAKE Ver.)
企画アルバム『SATISFACTION FAKE』収録曲。ベケベケと16ビートを刻むベース音と幾何学的なエレキ・ギターを特徴とするエレクトロ・ダンス・ナンバーで、タイトル通りサイケデリックな印象が強い。
18ODEON 19860318
契約の問題上、お蔵入りになったといわれたン・ルイスとのデュエット曲。ソリッドなファンク・ビートとヘヴィなギターを特徴とするロック・ナンバーで、絶頂期だったアンのハスキー・ヴォイスとシャウトが際立つ。