ミニ・レビュー
毎日の生活の中にアルバムが溶け込んでほしいという気持ちを込めて『Fantasia of Life Stripe』と名づけられたセカンド・アルバム。ポップでありながらも、軟弱になり過ぎない、芯を持ったナンバーが並ぶ。さまざまな“Life Stripe”を掲載した歌詞カードまで、コンセプチュアルな作品だ。
ガイドコメント
2011年発表のニュー・アルバム。「残像」「流れ星」などのシングルほか、「two of us」(フジテレビTWO『あいのり2』主題歌)など、新曲を含む全14曲を収録。
収録曲
01君に届け
多部未華子、三浦春馬ら出演の映画『君に届け』主題歌用に書き下ろし5thシングル。ストリングスの効いたドラマティックなアレンジが映える爽やかなポップ・チューンで、“今届け 君に言えずにいた「I love you」”と真っ直ぐに想いを綴る歌唱が胸を打つ。
02two of us
アルバム『Fantasia of Life Stripe』に先駆けてレンタル限定で発表されたフジテレビTWO『あいのり2』主題歌。エフェクトの効いたギターのアンサンブルをバックに、君が笑ってくれれば僕の生きる意味はそれで十分と宣言する。
03reboot〜あきらめない詩〜
温かなギターのアルペジオの幕開けから一転、ストリングスとドラムロールでスケールの大きなサウンドを奏でる4thシングル。現実を受け入れつつ、涙したあとには新たな希望に手を伸ばそうと歌う山村のヴォーカルがなめらかに響く。
04Snowy Nights Serenade〜心までも繋ぎたい〜
頬に触れて消える白い雪を幸せにたとえたミディアム・バラード。鈴やウィンドチャイムなどクリスマスを想わせる音色をフィーチャーしながらしっかりとボトムを支えるアレンジは、バンドとしてのアンサンブル能力の高さを感じさせる。
05東京哀歌
上京した若者の希望と苦悩を綴るミディアム・ポップ。挫折を知り、人の痛みを知りながら“今日も夢を見てもいいかな?”と想いを綴る。後半に向けてストリングスやブラスが加わり、ドラマティックに盛り上がるアレンジが感動的。
06Music Surfer
イントロの浮遊感のあるギター・リフを中心に、推進力のあるリズムで進んでいくポップ・チューン。“涙はリバーブに変えてしまえ”“悲しみや失望は深みを出すためのエフェクター”など、音楽用語が多く登場する歌詞がユニーク。
07僕はここにいる
切なさや憂いを帯びたサウンドが特色なポップ・ナンバー。鍵盤によるアクセントが効いたゆったりとしたイントロから後半で一気に展開。いま僕がいる“此処”から道を作り自分らしく未来へ歩いていけばいいと優しく背中を押してくれる。
08君のための100のもしも
エフェクトの効いたギターにうねるベースが絡むイントロが印象的なミディアム・ポップ。もう戻らないと理解しながらも“君のための100のもしも”を用意しながら暮らしているよ、と綴る歌詞が切ない。要所に仕掛けどころを入れたアレンジも楽しい。
09この時代を生き抜くために
細かいギターのカッティングがクールなロック・ナンバー。ストリングスなどを入れずにバンド・サウンドを中心にしたワイルドなアレンジに乗せ、容赦ない現実を突きつけながらも“僕らはまだ 夢を見れる”と高らかに宣言する。
10流れ星
ドラマティックで爽やかなflumpoolらしいサウンドが心地よいアップ・ナンバー。離れてしまった君を想い描き、思い出は必ず明日への糧になると歌う山村のヴォーカルが心にしみる。流れ星を想起させるウィンドチャイムが効果的。
11ギルト
“背徳、あやまち”という重めのタイトルが名付けられたエモーショナルなミディアム・バラード。タイトルどおり許されぬ愛を歌っており、夢も現実も放り出して世界の淵でも迎えにいくよと綴る歌詞が今までに無いテイストを感じさせる。
12しおり
イントロのアルペジオをはじめ、ギターのアンサンブルが印象的なアップ・チューン。仲間たちと笑いあい歌いあった輝かしい日々に挟んだはずの“しおり”が見つからず探しているんだという歌詞に合わせ、切迫感のあるサウンドが展開する。
13ベガ〜過去と未来の北極星〜
尼川元気(Ba)が作曲を手がけたロック・チューン。空間系のエフェクトを多用したサウンドに乗せて、離れてしまった君への強い想いを歌う。ベーシストならではのリズムを大きくとらえた伸びやかなメロディが印象的。
14残像
三浦春馬主演のTBS系ドラマ『ブラッディ・マンデイ-シーズン2-』主題歌の3rdシングル。大切な人を失った悲しみを歌ったミディアム・バラードで、村山達哉が手がけたスケールの大きなストリングス・アレンジが彩りを添える。