ガイドコメント
伝説となった彼らの“ロック・バンド”としての記録。痛烈なファズ・ギターがまぶしい(1)、16分のリズムがソウルっぽい(7)(9)、(10)や(11)でのバンドの痛快な勢いなどラフな演奏ながらもカッコイイ。
収録曲
0112月の雨の日
1971年“第3回全日本フォークジャンボリー”におけるライヴ音源。鈴木茂のギターが唸りをあげるイントロが非常にスリリングだ。破綻する一歩手前でリズムをキープし続ける松本隆のドラムも緊張感に満ちている。
02春らんまん
1971年“ロック・アウト・ロック・コンサート”におけるライヴ音源。今は亡きバンジョー奏者、岩井宏がゲストで参加。ライヴ音源ということもあり、大滝詠一と細野晴臣のハモりが生々しく響いてくる。
03空いろのくれよん
1971年“ロック・アウト・ロック・コンサート”におけるライヴ音源で、吉田美奈子と野地義行のデュオ、パフがゲストで参加。スライド・ギターがフィーチャーされた演奏で、かなりラフな仕上がりになっている。
04ももんが (暗闇坂むささび変化)
1971年“ロック・アウト・ロック・コンサート”におけるライヴ音源。正式レコーディング前のプロトタイプで、発展途上段階といった感は否めないが、曲の制作過程を知る上では、非常に貴重なテイクといえる。
05かくれんぼ
1971年“ロック・アウト・ロック・コンサート”におけるライヴ音源。浮遊感にあふれた鈴木茂のギターが素晴らしい。ライヴ音源が多く残されているナンバーだが、なかでもサイケデリック濃度の高い演奏といえる。
06いらいら
1971年“加橋かつみコンサート”におけるライヴ音源。ノイジーなギターが唸りを上げる、アグレッシヴな演奏だ。“いら〜いら〜”というリフレインも、スタジオ・ヴァージョン以上に扇情的な響きで迫ってくる。
07しんしんしん
1971年“加橋かつみコンサート”におけるライヴ音源。スタジオ・ヴァージョンの細野晴臣に替わり、大滝詠一がヴォーカルを担当。演奏の方も、粘り気のあるニュー・ロック・アレンジが施されている。
08抱きしめたい
1971年“加橋かつみコンサート”におけるライヴ音源で、スタジオ・ヴァージョンを収録した『風街ろまん』が発表される7ヵ月前の演奏。まだまだ完成度は低いが、ズッシリとしたサウンドには耳を奪われる。
09朝
1971年“第3回日本フォークジャンボリー”におけるライヴ音源。ソフト・ロック・テイストだったスタジオ・ヴァージョンとは趣を異にするロック・アレンジで、鈴木茂のサイケデリックなギターが堪能できる。
10はいからはくち
1971年“第3回全日本フォークジャンボリー”におけるライヴ音源。はっぴいえんどのライヴ音源の中でも、1、2を争うほど熱のこもった素晴らしい演奏だ。各楽器が前のめりになって転がるさまには、感動すら覚える。
11春よ来い (アンコール)
録音
(1)70.8,(2)〜(5)(9)〜(11)71.8,(6)〜(8)71.4