ミニ・レビュー
メイプルソープがジャケットを撮った、70年代NYパンク&アートを代表する歴史的名盤。詩的でサイケデリックなサウンドが生む覚醒感は格別で、本作には名曲「マーキー・ムーン」の別ヴァージョン(12)ほか、4曲の未発表トラックも収録した限定紙ジャケ盤。★
ガイドコメント
70年代にNYを震撼させたテレヴィジョンの名作1stアルバムがリマスター+レア・トラックをボーナス追加した紙ジャケット仕様で再発。クールで知的なパンク・ロックの衝撃を再び!
収録曲
01SEE NO EVIL
カントリー・ロック調のガッシリしたギター・リフときらびやかなアルペジオのメロディが融合した骨太なナンバー。間奏でのダイナミックなギター・ソロが、眠っているロック魂に一気に火をつける。
02VENUS
タンゴ調のビートを基盤に、2本のギターのリフが絡み合うミドル・チューン。片方のギターからメロディが離れたかと思えば、もう片方のギターへとシフトし、キャッチボールのようなサウンドが体験できる。
03FRICTION
フリーキーなギター・リフやフリー・ジャズのように繰り出される奔放なノイズやハウリング音が、サビでは一体感のあるバンド・プレイへと一気に収束し牙を剥く。濃密なバンド・セッションだからこそなせる緊張感にあふれたナンバーだ。
04MARQUEE MOON
テレヴィジョンの代表曲中の代表曲。歯切れの良いギター・リフの絡み合う前半から、後半の強烈なジャム・セッションの嵐にいたるまで、10分以上に及ぶ大作。1秒たりとも気が抜けないほど、最後まで高いテンションが保たれたドラマティックなナンバーだ。
05ELEVATION
クリアなギター・リフともの悲しげなアルペジオで聴かせるメロウなナンバー。サビでのリズムの変拍子風転調がなんともトリッキー。こちらに語りかけるように絞り出すトムの歌声も物憂げで胸を打つ。
06GUIDING LIGHT
ピアノをフィーチャーした優しいメロディで聴かせるバラード・ナンバー。50年代のオールディーズ調のメロディではあるが、チャイニーズ・フレイヴァーを感じさせるオリエンタルなメロディも挿入され、軽やかで華麗なサウンドを聴かせてくれる。
07PROVE IT
スパニッシュ・ギター調のギター・アルペジオと軽やかなリズムで聴かせるポップなロック・ナンバー。ハードボイルド小説を思わせる歌詞とノリの良いサウンドが、4分間の探偵映画を想起させてくれる、エンタテインメント性の高い一曲だ。
08TORN CURTAIN
地を這うようなドラム・ロールから雪崩れ込むブルージィなサウンドは、ダーティでありながらもムーディ。男の色香さえ感じさせるバンド・サウンドで、鬱屈とした歌詞とは対極にある魅力を見せてくれる。
09LITTLE JOHNNY JEWEL (PARTS 1 & 2)
10SEE NO EVIL
11FRICTION
12MARQUEE MOON
13UNTITLED INSTRUMENTAL