ミニ・レビュー
ムターの独奏は強弱やテンポを頻繁に変え、間をとったり表情の濃淡を極端に与えたりと、すんなり進む箇所はほとんどないと言っていいくらい。おそらく、これだけやり尽くした例は過去に類例がないと思われる。協奏交響曲の両端楽章は、なかでも普通の部類。
ガイドコメント
2006年のモーツァルト・イヤーに向けての録音。ムターの弾き振りによる全集という、興味深いアルバム。併録されている協奏交響曲は、ヴィオラの名手、バシュメットとの共演で、こちらも注目の録音である。
収録曲
モーツァルト:
[Disc 1]
01ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211
02ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207
03ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
[Disc 2]
01ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
02ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
03協奏交響曲変ホ長調K.364
演奏
アンネ=ゾフィー・ムター(VN,指揮) ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 [2] (3)ユーリ・バシュメット(VA)