ガイドコメント
アルバム『女性上位時代』から『ボサ・ノヴァ2001』までに収録されていた楽曲の中からセレクトされた初のベスト盤。瀧見憲司、テイ・トウワによるリミックス作品や新録作品も収録し、一味違うベスト作品に仕上げた。
収録曲
01We Love Pizzicato Five
数人の少年少女がオケなしで歌う15秒あまりの短い曲。原曲は映画『バイ・バイ・バーディー』内の「We Love You Conrad」をビートルズ応援歌にしたケアフリーズ「ビートルズに首ったけ(We Love You Beatles)」をさらに替え歌にした曲である。
02スウィート・ソウル・レヴュー
93年にヒットした代表曲。カネボウ化粧品のキャンペーン・ソングであったことも手伝って、ファッション性の高い彼らの音楽が広く一般に認知され、支持されるきっかけに。楽曲、歌詞ともに極めてポップでハッピー。
03東京は夜の七時
“早くあなたに逢いたい”のフレーズが有名なクラブ系ポップ・チューン。フジテレビ系『ウゴウゴルーガ2号』のオープニング曲で「スウィート・ソウル・レヴュー」に引き続き彼らの知名度を上げた代表曲だ。
04我が名はグルーヴィー
“渋谷系”らしい軽快でファッショナブルな極上ポップ・チューン。野宮真貴がセクシーとキュートの狭間を行き来しながら歌う詞は一見ハッピーだが、ラストには“楽しすぎてブルーになる”というヒネリの効いたフレーズが登場する。
05トゥイギー・トゥイギー〜トゥイギー対ジェイムズ・ボンド
映画『チャーリーズ・エンジェル』でも使用され話題になった曲。“オーケストラヒット”を多用したポップなサウンドと野宮真貴のキュートな歌声が、1960年代“ミニスカ”ファッションで一世風靡した“トゥイギー”を彷彿とさせる。
06大人になりましょう
2声のユニゾン・ヴォーカルがユーモアを交えつつ軽いタッチで“大人になりましょう”とたしなめる、小気味良いポップ・ナンバー。モコモコとした音象のバッキングと淡々としたリズム・トラックは、一見地味だが味わい深い。
07CDJ
可愛らしい女の子の声のサンプリングで始まる4つ打ちダンス・ナンバー。ゴスペル風のパワフルなバッキング・コーラスと普段より幾分低めのメロディを歌う野宮真貴のリード・ヴォーカルのコントラストが心地よい。
08陽の当たる大通り (Sunday Morning Takimiix)
アルバム『オーヴァードアーズ』からシングル・カットされたナンバーを、瀧見憲司がリミックス。原曲にあるピアノやブラスはないが、打ち込みならではのライトでポップなサウンドを強調した仕上がりが特色。小西康陽とは明らかに異なるテイストだ。
09ハッピー・サッド
94年4月にリリースされた4thシングル曲のスタジオ・ライヴ版。シングル・ヴァージョンにはないオルガン・ソロや終盤のピアノのみになるブレイクなどが特徴的。当然、ライヴ音源らしい生っぽさが味わいどころだ。
10キャッチー (Voltage Unlimited Catchy)
アルバム『sweet pizzicato five』収録曲のテイ・トウワによるリミックス。影を感じさせるハウス風トラックと野宮真貴の妖艶なウィスパー、上からモノを言うスノッブな歌詞の3つが絶妙にマッチしている。
11サンキュー
跳ね気味の16ビートが心地よいミディアム・ポップ。左右で繰り返される追い掛けバッキング・コーラスや多彩なサンプリング・ヴォイスなど、丹念に作り込まれている。タイトルに反して歌詞は意外にネガティヴである。
12マジック・カーペット・ライド
アラビア風のエキゾティックなサウンドを取り入れたファンタジックなポップ・ナンバー。2000光年の愛を誓い合う壮大なスケールのラブ・ソングで、リラックスした歌い方のデュエットが羨ましいほどに甘く響きわたる。
13We Love Pizzicato Five
メドレー形式のインスト曲。“軽快でキャッチー”というピチカートの魅力を凝縮したような作風で、久米大作の洗練されたオーケストレーションのもと、「東京は夜の七時」をはじめとする名ナンバーの旋律が綴られる。
14万事快調
どこにでもいる普通の女の子を主人公にしたポップ・チューン。チャーミングなスキャットや歯切れの良い“Beep Beep〜”などがポジティヴな印象を与える。イントロのドラミングは、ビートルズの「Birthday」からのサンプリングのようだ。