ガイドコメント
82年発表の通算8作目。精力的にツアーも行ない、バンドにとって初めてのプラチナ・アルバムを獲得、念願の全米制覇を成し遂げた、HR/HM史上に燦然と輝く歴史的名盤。
収録曲
01THE HELLION
ヘヴィ・メタル史上でも屈指のインパクトを誇るイントロ・ナンバー。わずか40数秒の中に込められたドラマ性は、荘厳さすら感じさせる。アルバム『復讐の叫び』ではそのまま次の「エレクトリック・アイ」へつながる。
02ELECTRIC EYE
ソリッドなリフを持った躍動感あふれるメタル・チューン。メカニカルなムードは軍事偵察衛星を描いた歌詞ともうまく連動しているが、より劇的な展開を味わうためにも、できればイントロダクションである「ヘリオン」とセットで聴くことがおすすめ。
03RIDING ON THE WIND
畳み掛けるようなイントロのドラミングが、曲名をそのまま物語るアップ・テンポのナンバー。耳をつんざくロブ・ハルフォードのハイ・トーン・ヴォーカルとツイン・ギターの掛け合いソロが、メタリックな高揚感を高める。
04BLOODSTONE
金属的なギター・サウンドに導かれてスタートするシンプルなナンバー。心地良いグルーヴ感とキャッチーなヴォーカル・メロディが見事に一体となっており、コンパクトだが歌うようなギター・ソロも耳に残る。
05(TAKE THESE) CHAINS
外部ライターであるボブ・ハリガン・ジュニアによるナンバー。バラード調のムーディな幕開けから一転、テンポ・アップしていく。キャッチーだが哀愁味をともなったメロディが映える展開を見せている。
06PAIN AND PLEASURE
まったりとした曲調のスロー・チューン。タイトルからはSMの世界が想像されるが、どこか粘つくようなメロディを持ちながらも、ブルージィなギター・ソロも含め、そういった妖艶なサウンドとはまた違った印象を与えてくれる。
07SCREAMING FOR VENGEANCE
冒頭からロブ・ハルフォードの超絶ハイ・トーンが炸裂するパワー・チューン。ヴォーカルのヒステリックな攻撃性に負けない重いビートとメタリックなリフ、そして、ドラマティックな展開を持ったギター・ソロも絶品だ。
08YOU'VE GOT ANOTHER THING COMIN'
ヘヴィに刻まれる鉄壁のリフが印象的な横ノリ・ナンバー。シンプルだが分かり易い曲調に引き込まれ、聴き進めていくうちにリズムに合わせて自然と体を揺らしていることに気が付くだろう。ライヴでも人気の定番曲。
09FEVER
曲名から受ける印象とは正反対の、しっとりとした曲調で始まるエモーショナルなナンバー。燃え盛るのは内なる激情……とばかりにシンプルなギター・ソロを境に盛り上がりを見せ、最後は再びトーン・ダウン。
10DEVIL'S CHILD
シンプルなギター・リフから始まる、キャッチーだが力強くノリの良いメタル・チューン。ともに歌うのに最適な覚えやすいサビのメロディ、ギター・ソロ後のロブ・ハルフォードの高音ヴォーカルも凄まじい。
11PRISONER OF YOUR EYES
85年8月にレコーディングされながらも、当時はお蔵入りとなり、未発表となっていたナンバー。哀愁味を感じさせるパワー・バラードで、のちに加えられたというメカニカルなトーンのギター・ソロも泣きのメロディを奏でる。
12DEVIL'S CHILD
アップ・テンポのキャッチーなメタル・チューン。82年の『復讐の叫び』にともなう全米ツアー中に収録された、ライヴ・ヴァージョン。ブリッジ・パートでの掛け合いや覚え易いサビのメロディが合唱を誘う。