ミニ・レビュー
99年5月のデビュー曲「RED ZONE」から、2003年までのシングル16曲を並べ、2003年にリリースしたベストの編集盤。確かな演奏力を活かしたポップなハード・ロックを中心に、メタルからバラードまで、わかりやすく聴きやすい曲が並ぶ。
ガイドコメント
1stシングル「RED ZONE」をはじめとする計16枚のシングルA面曲を網羅した、ジャンヌダルクのベスト盤。メロディの良さが際立つ“ジャンヌ流ポップ・ロック”が存分に楽しめる。
収録曲
01RED ZONE
閃光のように放つコーラスやきらびやかなキーボードなど、サウンド全体で“限界”の感情を表わしているかのような、劇的な展開とアレンジが特徴。危険な場所に堕ちていくような感覚が、スリリングでもあり華麗でもある。
02Lunatic Gate
03EDEN〜君がいない〜
雲を突き抜けていくようなサウンドと強弱のついた力強いメロディに、今はそばにいない君への想いを乗せて歌う。虹が見える“EDEN”も君がいなければ悲しいと歌い、爽やかなサウンドの中に切なさが光る。
04Heaven's Place (Single Edit from“D・N・A”)
粉雪が舞い降りてきそうなキラキラしたサウンドが、恋人同士の聖なる夜を思わせる。鐘の音が鳴り響き、なだらかなメロディで歌われる君への気持ちが、くすぐったくも可愛らしい。天にも昇る気持ちが伝わってくる。
05will〜地図にない場所〜
ゆっくりと時を刻んでいくような曲。レトロ風味が漂うガチャガチャした音作りが、平坦ではない道のりを思わせるが、同時に、優しさや温かさも感じさせる。ストリングスに煽られ、ドラマティックに盛り上がっていく。
06Mysterious
ミステリアスな「君」の心に惑わされてしまっている男の歌。わざと試すようなことをしても彼女には通用しないし、もう彼女にはかなわない。そんな彼の心情を表わしている、どこか切なくヘヴィなサウンドで展開されるアップ・ナンバー。
07Dry?
ジャズっぽいベース・ラインにスカっぽいギターを聴かせるアレンジに乗せて、軽快に切なく、過去をひきずった臆病な女性の心情を女言葉で歌う。きわどい歌詞とは裏腹に、主人公の渇いた心が浮き彫りになっていく。
08NEO VENUS
目まぐるしい展開ながら、ハイ・スピードで一気に駆け抜けていく演奏が心地良い。あなたへの確信に満ちた想いを高らかに歌い上げるサビとともに、風に乗って軽やかに空に舞い上がっていくような気持ちになる。
09seed
フラれた君の弱味につけこんで、野蛮に暴走していく主人公の心の動きを鳴らすように、エッジの効いたバンド・サウンドが加速していく。しかしサビでは、その“うしろめたさ”を突き抜けようと高らかに歌い上げる。
10シルビア
眩いばかりにきらめくギター・サウンドが高速で駆け抜けていき、プロポーズするときの高まっていく感情を歌う。心が晴れわたっていくようなヴォーカルとメロディ、高揚感たっぷりのアレンジに気持ちも高ぶる。
11feel the wind
ライヴで盛り上がりそうな爽やかなアッパー・チューン。彼女とは別れてしまったけれど、その悲しみを乗り越えて彼女の幸せを祈りながら新たな一歩を踏み出していこうという決意を歌っている。聴いていると気持ちもスッキリ晴れてきそうだ。
12Shining ray
過去を悔やまずに未来へ向かって進んでいこうと歌う、疾走感あふれるアップ・テンポのナンバー。シンコペーションを多用したサウンドが、聴くものの背中を前へ前へと押してくれる。風を受けながら聴きたくなる爽やかな曲だ。
13マリアの爪痕 (つめあと)
不穏なイントロから、流れるようなメロディと切れ味の良いギターを聴かせるドライヴ感のある曲。願いや祈りを捧げるようなサビのコーラスが印象的。“うたかたの恋”と“本当の愛”の間でもがく叫びにも聴こえる。
14霞 (かすみ)ゆく空背にして
一段一段階段を上がっていくように歌われるヴォーカルが力強い。春の訪れを待てずに、粉雪の中を走り出すような爽快さを感じさせる。“僕はもう振り返らない”と歌い、ただ一つの想いを胸に未来へ向かう情熱的な曲。
15Rainy〜愛の調べ〜 (Single Version)
ともに愛を育てた人に対して、最後に捧げる唄。ストリングスの調べに乗せて、ゆったりと優しく大切に歌われる。途中バックの演奏が消えア・カペラになり、再び演奏が鳴り、コーラスが重なっていく展開が美しい。
16餓えた太陽 (“SINGLES”MIX)
今までとはまた一味違う、ラテン系のイントロから情熱的に始まるシングル曲。一夜で燃え上がる男女の恋愛模様を、肉厚なサウンドに乗せることでさらに高揚させてゆく。常に赤裸々な告白を告げる、彼らの王道ともいうべき作品に仕上がっている。