ガイドコメント
ちょっとリッチーの影が薄い“第2期”ファイナル作。その分、他のメンバーが頑張っていて、前作までとは違った聴き心地のアルバムに。アルバム原題が、なんだが意味ありげ。73年発表。
収録曲
01WOMAN FROM TOKYO
キャッチーなノリを持つメロディアスなナンバー。曲名から72年の来日公演の思い出を歌ったとも言われるが、実はこの曲が書かれたのは初来日よりも前だったとか。“東京”を“トケイオー”と発音するのが妙にファンキー?
02MARY LONG
落ち着いた雰囲気のイアン・ギランのヴォーカルが“大人のハード・ロック”を感じさせるナンバー。どこか旅情味を感じさせる、リッチー・ブラックモアのスライド・ギターのフレーズが挿入されていて、いいアクセントになっている。
03SUPER TROUPER
ハードだがメロディアス、そして、サビにいくらかサイケな味付けが施された3分弱の小曲。シンプルな楽曲構成もあり、第2期ディープ・パープルが得意としていた“ジャムの中から仕上がった曲”のひとつだと思われる。
04SMOOTH DANCER
骨太なリフと力強いヴォーカルはいかにもディープ・パープルだが、サビでは一転してファンキーに展開するハード・ロック・チューン。ジョン・ロードがホンキー・トンク風ピアノ、オルガン・ソロと大活躍している。
05RAT BAT BLUE
ファンキーなノリを持ちながらも、憶えやすいリフ形態がいかにも第2期ディープ・パープル的なハード・ロック・ナンバー。様々な音色を駆使した強烈なキーボード・ソロもフィーチャーされているが、楽曲自体はかなりキャッチー。
06PLACE IN LINE
低音ヴォーカルからスタートするブルージィなヘヴィ・チューン。後半になって唐突にテンポ・アップするところも含め、第2期ディープ・パープルの楽曲の中ではやや異色だが、長めのギター・ソロといった自然体のプレイも楽しめる。
07OUR LADY
ゆったりとしたリズムとどこかサイケなムードが不思議な感覚を呼び起こす、ヴォーカル中心のナンバー。やや大味でほとんどギターが聴こえてこないものの、60年代的なポップ・センスを感じさせるメロディアスなサビは実に耳に優しい。