ガイドコメント
一般的に“出来のイイ長男と三男に挟まれて肩身がせまいぜ次男坊”的な扱いのアルバムだが、そんなことありません。ヴァラエティに富んでいて非常に聴きどころが多い好盤なのだ。71年発表。
収録曲
01FIREBALL
ディープ・パープルの数あるハード・ロック・チューンの中でも随一のアグレッションとスピード感を誇る名曲。3分半に満たないものの、スリリングなオルガン・ソロからフェード・アウトへと至るドラマ性も見事だ。
02NO NO NO
ヘヴィながらもどこかほのぼのとしたノリを持つ、ディープ・パープルの“引き”の美学が自然体で出たナンバー。リッチー・ブラックモアのスライドを使ったスペイシーなギター・ソロも聴きどころのひとつだ。
03STRANGE KIND OF WOMAN
世界各国でシングル・ヒットを記録した、ダイナミックなノリを持ちながらもキャッチーで親しみやすいナンバー。リッチー・ブラックモアによるどこか飄々としたムードのメロディアスなギター・ソロも楽しめる。
04ANYONE'S DAUGHTER
ディープ・パープルには珍しいフォーク/カントリー・タッチのアコースティカル・チューン。シャウトしないイアン・ギランの柔らかな歌唱、ジョン・ロードによるファンキーなピアノ・プレイも実に興味深い。
05THE MULE
小気味よいドラミングとエスニックで柔らかなムードが特徴的なナンバー。神秘的なトリップ感もほのかに感じられるが、ライヴにおいては、イアン・ペイスのドラム・ソロで欠かせない定番曲としても知られている。
06FOOLS
まったり地味めな『ファイアボール』収録曲。緩やかなイントロダクションからヘヴィな主題へと展開し、途中、リッチー・ブラックモアによるヴォリューム奏法を使ったムーディなソロ・パートを挟み、再びヘヴィに戻る。
07NO ONE CAME
ハード&ヘヴィなスタイルを持ちながらも、いかにもジャム・セッションの延長線上から生まれたといった、わりと淡々としたムード漂うナンバー。エンディング・パートではテープの逆回転がお遊び的に使われている。