ガイドコメント
73年発表。各メンバーがカラフルで薄い布らしきものをまとうぼやかし顔のアップのジャケ・デザインが、とらえどころがないアルバムの雰囲気にマッチ。まったりとルーズな感触の音がイイ。
収録曲
01DANCING WITH MR.D
アルバムのコンセプトにうってつけの曲としてオープニングを飾っている。1973年12月、アメリカにおける2ndシングルとして発売された「ドゥー・ドゥー・ドゥー……(ハートブレイカー)」のB面曲にもなっている。ミック・ジャガーのドロドロとした歌いまわしや表現力、キースとミック・テイラーのギター・ワークにはあらためて感心させられる。
02100 YEARS AGO
すでに1960年代末にはレコーディングできる状態にあったというだけあり、どことなく1960年代を思わせる曲風。冒頭から聴こえる活きの良いクラビネットは、ビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』の参加などで一躍脚光を浴びたビリー・プレストン。もちろんミック・ジャガーの歌もミック・テイラーのリード・ギターも冴えている。
03COMING DOWN AGAIN
04DOO DOO DOO DOO DOO (HEARTBREAKER)
05ANGIE
06SILVER TRAIN
1972年にジョニー・ウインターにプレゼントした曲をストーンズ自らもレコーディング。シングル「悲しみのアンジー」のB面曲でもあったが、なかなかどうしての佳曲である。ミックの得意とするブルース・ハープが“汽笛の音”を上手く醸し出しているが、なんと言ってもミック・テイラーのスライド・ギターと名手イアン・スチュアートのピアノ演奏が光る。
07HIDE YOUR LOVE
ミック自らがピアノを弾くブルース・ナンバー。いかに彼らがブルース、R&Bに傾倒しているかがうかがい知れる一曲だ。リラックスした中でのレコーディングのせいかライヴ感が出て、ミックのヴォーカルもバンドの演奏もいい感じで“黒”を出している。小さなライヴ・ハウスで聴いてみたい曲だ。
08WINTER
ミック・ジャガーが切なく歌いあげるドラマティックなバラード・ナンバー。ミック・テイラーのきめ細やかなフレーズによるギター・ワーク、そしてニッキー・ホプキンスの華麗なピアノに曲の中盤からはニッキー・ハリスンのアレンジによるストリングスが絡み、クライマックスを迎える。
09CAN YOU HEAR THE MUSIC
イントロ導入部分は、ニッキー・ホプキンスによるオリエンタル的なピアノのフレーズ。そして、どことなくクイーンを思い起こさせるギターの音色(もちろんこちらが先だが)が印象的な曲。アレンジは全体的にサイケデリックでありながらも泣かせるメロディがいい。
10STAR STAR