ミニ・レビュー
今や若者たちから絶大な支持を得ている林檎ちゃんだけれど、女の子のかわいさと毒が入り交じった今回のシングルでも、存在感あふれる歌が聴く人を虜にする。自らがピアノを弾き語りする「時が暴走する」は新録で、裏ジャケットには13年前のお宝写真を掲載。
ガイドコメント
林檎姫の記念すべきデビュー・シングルを12cm盤にリニューアルして再リリース。それも単なる仕様替えではなく、ジャケ新装に新曲追加と“買わんでどうする?”仕様での再登場。知る人ぞ知る隠れ名曲「すべりだい」の素晴らしい歌詞も必読ですよ、皆さま。
収録曲
01幸福論
02すべりだい
デビュー・シングル「幸福論」のカップリング・チューン。マイナー調のメロディにのったヴォーカルは、ウェット感を持ちながらもフットワークのある身軽さを擁している。だが、その楽曲を浮ついたものとせずに絶妙な位置で抑えているのは、強調された渡辺等の太いベース。擦れた女性心理を描いた詞が独特の世界観を醸し出している。
03時が暴走する
デビュー・シングル「幸福論」がマキシ・シングルとして再リリース時に追加収録されたナンバー。雨音の効果音から美しくも切ないピアノが鳴らされるイントロ、憂鬱さがたち込め、それを振り払うようにうねる巻き舌調のヴォーカルが何とも痛々しい。中盤では一瞬優しさをみせるもラストで狂おしく乱れ弾かれるピアノが印象的。