ガイドコメント
コズミック・ブルース・バンドを結成したジャニスはさらにソウルフルな世界を模索。本作はジャニスの音楽にとって次なる進化の過程であり、自身のサウンドを見つける重大な決断といえる。
収録曲
01TRY (JUST A LITTLE BIT HARDER)
02MAYBE
シャンテルズのヒット曲のカヴァー。ホーン・セクションをフィーチャーしたR&Bサウンドに乗って、ジャニスならではの絶妙のフェイクを披露するロッカ・バラード。どんな曲でも自分のオリジナル曲にしてしまうシンガーとしての彼女の独創性を堪能できる。
03ONE GOOD MAN
ジャニスのオリジナル・ブルース曲。ロック・コンボ編成でのサウンドが基調で、売り物のホーン・セクションは控えめ。ジャニスは「あたしはずっと一人のいい男を探し続けてる」と歌っている。地味なレパートリーだが、ロック寄りのジャニスがとても良い。
04AS GOOD AS YOU'VE BEEN TO THIS WORLD
親友ニック・グレイヴナイツが書いた曲。ホーン・セクションのソロをフィーチャーした長いイントロの後にジャニスが歌い始める。彼女が思いきりフェイクしまくることのできる広い空間がここにはある。ジャム・セッションのための曲と言えるかもしれない。
05TO LOVE SOMEBODY
ビー・ジーズのヒット曲をカヴァー。穏やかに始まる序盤からホーン・セクションと共に歌い上げる終盤のクライマックスまで、自由にフェイクし続けるジャニスの歌声に酔える1曲。ライヴの熱狂はここにはないが、だからこそ彼女の歌声をじっくりと楽しめる。
06KOZMIC BLUES
プロデューサーのゲイブリエル・メクラーとの共作曲。ジャニスの25年間の半生を凝縮したような名曲。彼女の身体の中で眠っていた桁外れのエナジーが一気に噴き出したかとも思われるような熱唱が聴ける。適度に抑制されたバンドの演奏も良い。
07LITTLE GIRL BLUE
08WORK ME, LORD
元エレクトリック・フラッグのニック・グレイヴナイツが書いた曲。じっくりと時間をかけて徐々にクライマックスへと到達するジャニス流ゴスペルの世界が堪能できる。簡単にピークまで行かないところに、シンガーとしての彼女の成熟が感じられる名唱のひとつ。
09DEAR LANDLORD
10SUMMERTIME
11PIECE OF MY HEART