ガイドコメント
グラム・ロックを代表するバンドの73年発売、唯一の公式ベスト・アルバム初のCD化。バンドの代名詞ともいえる「20センチュリー・ボーイ」のほか、後期の代表曲が中心に収められた好盤だ。
収録曲
01TELEGRAM SAM
02JITTERBUG LOVE
タイトルどおり、ジルバのリズムを取り入れた陽気なブギー・ナンバー。3分弱のタイトな時間だが、T.レックスのポップ・センスを存分に楽しむことができる。後半、マーク・ボランのいつもの中性的な歌声とはかけ離れたマッチョなシャウトにも注目。
03LADY
クリーンなギターのストロークとマーク・ボランの中性的なヴォーカルで聴かせるミディアム・ナンバー。シンプルな歌詞とコード進行の繰り返しがかえって新鮮で、楽曲の世界に引き込まれてくようだ。
04METAL GURU
05THUNDERWING
ギター・リフからマーク・ボランの「Yeah!」の号砲で幕を開けるブギー・ナンバー。ミディアム・テンポに乗せたクラップが心地よい。リラックスしたグルーヴ感にセクシーなヴォーカルが絶妙にマッチしている。
06SUNKEN RAGS
軽快なミディアム・ロックンロール・ナンバー。要所でフィーチャーされる鍵盤とコーラスの存在感が印象的。周囲と折り合いがつかない自己への葛藤を歌う内容も、マーク・ボランの手にかかると、極上のグラム・ロックとなる。
07EASY ACTION
小気味良いリズムはT.レックスの楽曲の中でも随一で、「Hey!Hey!Hey!」のフレーズは思わず口ずさんでしまうほど。キャッチーなサビのフレーズはCMなどにも多用され、時代を超えた普遍性を持つT.レックスの代表曲のひとつ。
0820TH CENTURY BOY
グラム史のみならずロック史にその名を刻んだT.REXの名曲。両性具有やアイデンティティの解放を歌うグラム・ロックの精神をストレートに表現した歌詞と耽美的なサウンドは、永遠に色褪せることはないだろう。
09MIDNIGHT
中性的で妖艶な世界観が魅力のT.レックスだが、この楽曲ではマーク・ボランの激しいギター・プレイを全面にフィーチャーし、男のフェロモン全開のヘヴィ・ロックを展開。しかし、ヘヴィでありながらもメロディのキャッチーさはゆるぎない。
10THE SLIDER
11BORN TO BOOGIE
「僕はブギーをするために生まれたのさ」という、マーク・ボランのテーマ曲ともいえるナンバー。イントロからエンディングまで、ブギーの王道がこの曲に集約された、教科書的なナンバーだ。
12CHILDREN OF THE REVOLUTION
のちに数々のアーティストにカヴァーされることになる、T.レックスの代表曲のひとつ。重厚なストリングス、ヘヴィなAメロからキャッチーなサビへの展開、心の奥に眠っているものを呼び起こすような歌詞など、どこをとっても非の打ちどころがない傑作だ。
13SHOCK ROCK
Aメロでマーク・ボランの悪魔的な低音ヴォイスが炸裂するミディアム・ロック・ナンバー。楽曲自体はポップだが、マーク・ボランの鼻にぬける震えるようなヴォーカルが、不気味な世界観を作り上げている。
14THE GROOVER