ミニ・レビュー
今こそ聴け「ウォー・ピッグス」。70年発表のセカンド・アルバム。攻撃的ギター・リフレインのオン・パレードでつい一緒にやっている気になってしまう名盤。妖しいだけではなく陰気でユーウツなパワーがねとねと発揮されているところが素晴らしいのです。
ガイドコメント
さらにヘヴィなサウンドを確立させ、全英1位を獲得したブラック・サバスの2ndアルバム(70年発表)。シングル・カットされたタイトル曲も大ヒットした。
収録曲
01WAR PIGS
引き摺るようなヘヴィさで幕を開け、ブルージィなリフ展開でグイグイと引っ張っていくブラック・サバスの初期代表曲。トニー・アイオミによるアドリブ満載のギター・ソロも、たっぷりフィーチャーされている。
02PARANOID
ブラック・サバスといえばこの曲……という、代表曲中の代表曲にして大人気チューン。シンプルなリフの繰り返しによるキャッチーで覚え易い曲調が魅力で、ソロとなったオジー・オズボーンのライヴでも定番となっている。
03PLANET CARAVAN
初期ブラック・サバスのサイケデリックな側面を象徴するナンバー。ダウナーな曲調と呪術的なパーカッション、暗黒に浮かび上がっては沈んでいく囁くようなヴォーカルは、異空間をさまよっているような酩酊感を誘う。
04IRON MAN
ヘヴィでグルーヴィで、同時にキャッチーでもある、初期ブラック・サバスを代表するナンバー。印象的なギター・リフと、それをなぞるようなヴォーカル・メロディが特徴的で、意外に起伏の大きな楽曲展開も聴きどころだ。
05ELECTRIC FUNERAL
ワウを効かせた不気味なギター・リフがすべてを司る、沈み込むようなスロー・チューン。呻くようなオジー・オズボーンのヴォーカルも実にダウナーで、中間部のジャジィでアッパーな展開部とのギャップが面白い。
06HAND OF DOOM
暗く重たい不吉なリフと読経のようなヴォーカルが、聴く者をダウナーな気分にさせるヘヴィ・チューン。ただし、中間部にはグルーヴィな歌い上げパートが用意されており、そんな強引な展開が実にブラック・サバスらしい。
07RAT SALAD
タイトなリズムが暴れまわるインストゥルメンタル・チューン。わずか2分半ほどの小曲だが、豊潤なメロディを湛えたギター・インプロヴィゼーションがフィーチャーされており、エンディングではドラム・ソロも炸裂する。
08FAIRIES WEAR BOOTS
ブラック・サバスのジャジィな魅力が詰め込まれたヘヴィ・チューン。フリー・フォームのインスト・パートとグルーヴィなヴォーカル主体のパートが交互に繰り出され、不思議な感触をおぼえる独特な浮遊感を生み出す。