ミニ・レビュー
メジャー・デビュー後から、活動停止を乗り越え高らかに復活を叫んだ時期までのなかから、バンドの運命を大きく左右した楽曲ばかりをセレクト。当初は耽美なヨーロピアン・スタイルをまとっていた彼らが、後半になるにつれダウナーなブリット寄りに変貌していく様なども見えてくる。
ガイドコメント
3タイトル同時発売となるラルク アン シエルの究極のベスト盤。本作は、94〜98年にかけてのシングル・ヒット曲を中心に、ライヴで人気の高いアルバム曲も収録した、ファン必携の内容。
収録曲
01In the Air
02Blurry Eyes
1stシングルにして名曲。軽やかなアコギ、リズミカルに駆け巡るベースなど、センスの良さが随所に感じられる完成度の高いポップ・ソング。ただ耽美的なだけではない、彼らの実力がうかがえる。
03Vivid Colors
kenの伸びやかなギターの音色が圧倒的に清々しい、ラルク初期の代表曲。アコギとエレキを巧みに使い分け、ポップなメロディを生み出している。サビのカッティングも歯切れ良し。浮遊感あふれる爽快なナンバーだ。
04and She Said
初期のバンド模索期に発表された、アヴァンギャルドな曲展開が印象的なヘヴィ・チューン。曲が醸し出す耽美的な雰囲気、妖艶で耳に残るコーラスが異質でコアな香りを発していて、どことなくダークな感じを受ける。
05夏の憂鬱 (time to say good-bye)
悲痛な自責の念を美しいメロディに乗せた、切ないリグレット・ソング。叫びとも取れる憂いたっぷりのhydeの美声、郷愁じみたkenのギターが、秋色を克明に表現することに成功している。痛いほど胸に染みる曲だ。
06風にきえないで
tetsu作曲によるスピード感あふれるラヴ・ソング。彼独特の動きのなめらかなベース・プレイと、楽曲にうまく溶け込むコーラスが際立っている。吹き抜ける風のように心地良い曲調、流れるような展開はさすがの一言。
07flower
ラルク大ブレイクのきっかけとなったヒット・シングル曲。爽やかな反面、どこか切ないギターの音色が染みる。バック・コーラスも美しく映え、片想いの幻想的世界を色濃いものにしている。キャッチーなサビも見事。
08Lies and Truth
想いが届かないことの苦しさ、やるせなさを歌った痛いほど切ないラヴ・ソング。歌詞は堕落感すら漂う重い内容だが、上品なメロディとストリングスが楽曲をソフトに仕立て、無二のポップ・サウンドを構築している。
09Caress of Venus
イントロから軽快に鳴り響くピアノとアコギは、爽やかな側面を備えつつも、どこかラテン的な香りを漂わせ、情熱的な歌詞との相性は抜群。安らぎをもたらすような美しいファルセットはまさに“天使の抱擁”。
10the Fourth Avenue Cafe
11虹
新ドラマー、yukihiro加入後、初の音源。バンド名をタイトルに据えたスケール感の大きい一曲。サビ直前の、高揚感を煽るかのような凄まじいテンションは絶品。高らかに歌い上げる主役を、さりげなくも印象的な美しい旋律が支える。
12winter fall
hydeのシルキー・ヴォイスが、優しいメロディにきれいに溶け込んだ崇高なウィンター・ソング。ドラマティックなストリングスとホーン、yukihiroの耳あたりの良いドラムが彩りを添える。冬景色の情景を彷彿とさせる。
13Shout at the Devil
14fate
15あなた