ガイドコメント
ニルヴァーナ、パール・ジャムと共にグランジ・ロック・シーンを牽引したアメリカを代表するロック・バンド、ストーン・テンプル・パイロッツのキャリアを集大成した初のベスト・アルバム。
収録曲
01ヴァソリン
レッド・ツェッペリンを彷彿とさせるへヴィなギター・リフと、スコットの気だるく妖しいヴォーカルが生み出す中毒的なグルーヴ。まさにVASOLINE(ワセリン)を塗りたくったような、粘り気のあるミディアム・ナンバー。
02ダウン
重く圧し掛かるスローなリズムにへヴィなギター・サウンド。どこまでもダークなグルーヴの中にスコットの妖艶な歌声など、彼ら独特のシャープなメロディ・センスがキラリと光るへヴィなナンバーだ。
03ウィックド・ガーデン
緊迫したへヴィネス・サウンドと、ポップさをほのかに滲ませたメロディックなサビの浮遊感。絶妙なコントラストを以ってSTP的グランジを打ち出した、気だるくもハードなミディアム・ナンバー。
04ビッグ・エンプティ
ジャジィなリズムと哀愁たっぷりのスライド・ギターが渋い前半から、徐々にへヴィなパワー・バラードへと変化していく、ドラマティックなスロー・ナンバー。映画『THE CROW』の挿入歌としても起用された。
05プラシ
06ビッグ・バン・ベイビー
トラディショナルなロックンロールのグルーヴで60'sポップを演出しながらも、うねるようなギター・サウンドやスコットの物憂げなヴォーカルなど、結果的にSTPの毒々しく妖艶な個性が強烈に浮き出たミディアム・ナンバー。
07クリープ
アルバム『コア』からシングル・カットされ、ラジオで大ヒットしたナンバー。“何もする気が起きない”憂鬱な気持ちを歌った寂寥感漂うアコースティック・バラードで、わびしげなスコットの歌声を包む、哀愁を含んだ美しいギターの旋律が胸に残る。
08レイディ・ピクチャー・ショウ
どこか懐かしさを感じさせるサウンドとしなやかなメロディ・ラインが心地良い、軽やかなポップ・ソング。スコットのいつになく穏やかな歌声も風味が良く、へヴィ・ロックだけではない彼らの音楽的深みを味わえる。
09トリッピン・オン・ア・ホール・イン・ア・ペイパー・ハート
ミドル・テンポの16ビートにカラフルなギター・サウンドが交差する、ノリの良いロック・ナンバー。「俺は死んでないし、売り物でもない〜」と歌う、搾り出すようなスコットのシャウトに、彼と密接なドラッグ問題に対する苦悩がうかがえる。
10インターステイト・ラヴ・ソング
全米1位アルバム『パープル』(93年)からのシングル・ヒット・ナンバー。ミディアム・スローのへヴィなサウンドに、メロウなギター・リフが切なく響く、どこかデカダンスな雰囲気漂うSTPらしいロック・ナンバー。
11オール・イン・ザ・スーツ・ザット・ユー・ウェア
ベスト盤『サンキュー〜グレイテスト・ヒッツ』に収録。これまでのキャリアをすべて凝縮したような、強烈な破壊性を持ったへヴィネス・ナンバーで、初期の攻撃性と成熟した味わいをあわせ持った存在感たっぷりの一曲だ。
12セックス・タイプ・シング
彼らの名を世に知らしめるきっかけとなったデビュー・アルバム『コア』からの大ヒット曲。アグレッシヴなロックンロール・サウンドとスコットのカリスマ的なヴォーカルの融合。90年代のアメリカン・ロックを象徴するようなハード・ロック・ナンバー。
13デイズ・オブ・ザ・ウィーク
5thアルバム『シャングリラ・ディー・ダ』からのシングル・カット曲。持ち味であるへヴィ・サウンドにポップ・テイストをふんだんに盛り込んだ口ずさみやすいメロディ。爽やかさと透明感が溢れる、新たなSTPワールドを構築している。
14サワー・ガールズ
15プラシ (アコースティック・ヴァージョン)
16ロング・ウェイ・ホーム