収録曲
01OOPS!・X〜Z (インスト・SE)
02ACID RAIN
60から0までを英語でカウント・ダウンしていく声をバックに、おどけた雰囲気で進行していくファンキーなナンバー。土着的なリズムに、酔っ払っているかのような藤井郁弥のくねくねしたヴォーカルが乗り、スクラッチの音が入ったりと騒がしいアレンジが被さっていく。ジャングルを探検しているような気分にさせられる曲だ。
03See you yesterday
ダンサブルなパーカッションとクールなベースに引っ張られ、淡々と進んでいく曲。忘れかけた時に戻ってきた一度別れた女性に対して、“勝手すぎるぜ”“たのむから消えてくれ”と歌い、全体的に不穏な空気が流れる。後半は、徐々にキーボードがフィーチャーされて、アルバム『OOPS!』の次曲「M-3」へと繋がっていく。
04M-3
アルバム『OOPS!』の「See you yesterday」から繋がっている曲。前曲の流れを汲むダンサブルでクールなリズムに乗せて、矛盾した気持ちが同居した“ギリギリ”な心情を歌う。途中でラップも入り、ループするリズムの中を、歌心のあるサックスと鋭角的なギターがメリハリをつけている。
05危険なNo.5
パーカッションの大人っぽいリズムと露骨にエロい雰囲気を醸し出すサックスをバックに、女を抱きながら“香り”で違う女を思い出している男の心を歌うナンバー。静かに迷路に迷い込んでいくような、危険で罪深い香りが心地良く漂っている。具体的な描写と男の心の中の動きが交差し、“パフュームだけを抱いているのさ”という詞が意味深に響く。
06Gold Rush
高杢禎彦ヴォーカル曲。大地を駆け抜けていくようなスピード感のあるサウンドに乗せて、“文無しか億万長者”の“博打”な生き方について歌う。地面を蹴りつけるようなタイトなドラムとブイブイと荒々しいベースがリズムを支え、歪んだギターが荒野の雰囲気を漂わせる。砂埃が舞う光景が似合いそうなドライなナンバーだ。
07One more glass of Red wine
“別れ話”をしている男女のことを歌っているが、ロマンティックな雰囲気たっぷりの曲。甘いメロディとドゥー・ワップ風のコーラスが、二人のよりを戻してしまいそうだ。最後の“One more please!”という言葉が、“そういう意味”かと思わせた途端、ラジオから流れてくるような音に切り替わる演出がニクイ。
08100Vのペンギン
裏打ちのギターと途切れ途切れに吹かれるサックスなど、退廃的なムードが漂うヘヴィなナンバー。“100Vのペンギン”とは日本人のことなのか、“過去の消えたこの街”と歌う内容もどこか退廃的。各楽器がバラバラに演奏されているようなアレンジによる閑散とした雰囲気の中、“君の方が辛いね 君が僕を作った”という意味深な言葉が歌われていく。
09Call Up Paper
鶴久政治ヴォーカル曲。軍隊に召集された男が出発する前に好きな女に“最後のお願い”をする曲。前半は南国の風景が浮かびそうな爽やかなサウンドを聴かせ、後半は土臭いバンド・サウンドで派手に盛り上げる。下世話な内容ながら、能天気な歌いっぷりとノリの良いコーラスでご機嫌に押し切っていく。
10Kiss
好きな女の子と初めてキスをした日の帰り道のことを歌った曲。そよ風のようなキーボードに導かれ、浮遊感漂うサウンドとともに、心地良く夜空に舞っていきそうな気分になる。“千夜一夜の夢物語”など、夢見心地な主人公の気持ちが伝わってくる歌詞が神秘的な雰囲気を作り出し、虫の音が臨場感を誘う。
11一週間の悪夢
カラカラとしたリズム・パターンが最初から最後まで繰り返されるなか、悪夢に悩まされていく主人公を歌う。もうひとりの君の姿を見てしまい、それが夢なのか現実なのか、君なのかそうじゃないのか、確かめることもできずに眠れぬ夜を過ごす。呪文のように歌われる“lie lie lie”というコーラスが不気味に響くナンバー。
12眠れるように
ジャズっぽい雰囲気のリズムに幻想的なサックスが絡み、悲しげで優しいメロディに乗せて歌われる子守唄。“揺れる小舟”や“白い絹のような雲”といった、物語の世界を描いたような歌詞が印象的で、美しい光景が目の前に浮かんできそう。優しく魔法をかけられて、深い森の中へと誘い込まれるような一曲。
13初恋 (インスト・ピアノソロ)
藤井郁弥が手掛けた、ピアノ・ソロによるインストゥルメンタル。アルバム『OOPS!』前曲「眠れるように」のエンディングを補うかのように、ゆっくりと静かにメロディが奏でられる。さまざまな喧騒や悪夢を鎮め、そっと痛みを取り払うかのような優しい旋律が心を癒してくれる。シンプルな演奏の中に初々しさが感じられるナンバーだ。