ガイドコメント
2001年発表の3rdアルバム。リヴァース・クオモ(g,vo)のハーバード大学進学や、マット・シャープ(b)の脱退で休業状態になったバンドが前作より5年を経て聴かせる充実のパワー・ポップ。泣きのメロディ炸裂!
収録曲
01ドント・レット・ゴー
前作『ピンカートン』でのパンク/ガレージ路線から、再びパワー・ポップ路線へと回帰した8ビート・ナンバー。シンプルでキャッチーなバンド・サウンド、よく聴くとヘタな気がするギター・ソロなど、彼ららしさが満載だ。
02フォトグラフ
3rdアルバム、通称『グリーン・アルバム』(96年発表)からの1stシングル。ハードなギターに泣きのメロディ、ウィーザー節全開の必殺チューン。歌詞もまた、男のよわ〜い部分をさらけ出してしまうリヴァースらしさが光っている。
03ハッシュ・パイプ
キッスが大好きなギター少年だったリヴァースによる、1970年代ロックへのオマージュ・ナンバー。ガッガッガッと弾かれるへヴィなサウンドに対し、リヴァースの歌声はファルセット。そんな好対照な要素で安直な作風を回避している。
04アイランド・イン・ザ・サン
05クラブ
愚痴ってかまわないとなぐさめる歌詞こそが愚痴に思えてくる、ユニークな歌詞が綴られるナンバー。これをグリッター・ロック調のエモ・サウンドに乗せ歌えば、彼ら特有の人を喰ったような曲調に。どっしりとしたドラミングのため加減も絶妙だ。
06ノック・ダウン・ドラグ・アウト
恋人との駆け引きを戦争に置き換えて歌ったメロディアスなナンバー。コマ切れ気味でのせわしなくもある曲調で、恋の駆け引きがもたらす心理的プレッシャーを絶妙に表現。ギターもヴォーカルもユニゾンが活きている。
07スマイル
歌詞もサウンドも至極シンプルなバラード・ナンバー。ただでさえ効果的なマイナー調のメロディに彼らお得意の泣きメロの効果が加わることで、さらに輝きが増している。凡庸を凡庸で終わらせぬセンスのたまもの。
08シンプル・ページズ
出だしから“愛をくれ、愛をくれ”と訴えかける、キャッチーなナンバー。彼らにしては珍しいへヴィなサウンドによるバラードで、その重さは歌詞にも加わっている。ユニゾンで鳴らされるメロディが実に力強い。
09グロリアス・デイ
スタジアム・ロックを思わせる、ラウドなサウンドのメロディアス・ナンバー。ところどころで音足らず歌詞余りに展開する落ち着きのなさが、歌詞に込められた思いの切実さを如実に表現。痛々しさに満ちたラブ・ソングだ。
10オー・ガールフレンド
逢えない恋人を思い焦がれて身悶えする様が描かれた、メロウなラブ・ソング。あまりに青臭い感情がちりばめられた歌詞が、怒涛の泣きメロ攻撃の援護を受ければ痛みすらともない始める。激しいドラミングも狂おしいかぎりだ。
11ザ・クリスマス・ソング
12アイ・ドゥ