ミニ・レビュー
ついに“ボブ・ディラン二世”と称されるまでになった異才シンガー・ソングライターの2作同時発売アルバム・アコースティック編。ルーツ・ミュージックの手法を踏まえながら、時代が抱える辛苦や不安を、ときに絶唱を交え痛切に描く。エミルー・ハリス客演。★
ガイドコメント
全米1位のシングル「Lua」を含むこのアルバムは、フォーキーな手触りで全編が覆われた傑作。エミルー・ハリス、ジェシー・ハリス、ジム・ジェームズら豪華ゲストの参加も見逃せない。
収録曲
[Disc 1]
01AT THE BOTTOM OF EVERYTHING
墜落する飛行機の中のストーリーを語る、長いモノローグが印象的。中盤からは、アコースティック・ギターを中心とする、明るいカントリー・テイストのサウンドが広がる。震えるようなコナーの歌唱が個性を放つナンバーだ。
02WE ARE NOWHERE AND IT'S NOW
3拍子で刻まれるアコースティック・ギターの旋律が出色の、穏やかなナンバー。カントリーの大御所シンガー、エミルー・ハリスがヴォーカルとして参加。コナーと彼女のデュエットは相性抜群で、耳を奪われること間違いなしだ。
03OLD SOUL SONG (FOR THE NEW WORLD ORDER)
スティール・ギターとアコースティック・ギターの旋律が美しく交錯し、サビではハーモニカが効果的に響くメロウ・チューン。サビに向かって力強くなるヴォーカルは、感情の起伏を巧みに描写していて、共感を呼ぶ。
04LUA
全米シングル・チャート1位を獲得したナンバー。アコースティック・ギターの瑞々しい旋律とコナーのささやくような優しいヴォーカルのみで構成された穏やかな楽曲で、シンプルながらも強く心に響く。
05TRAIN UNDER WATER
アコースティック・ギターとスティール・ギターのコード感が美しい、カントリー調のナンバー。米国同時多発テロを思わせる詞を、震えやかすれを用いて歌うヴォーカルからは、哀しみや切なさがリアルに伝わってくる。
06FIRST DAY OF MY LIFE
愛し合う喜びをストレートに綴った、弾き語りのような静かなラヴ・ソング。さざ波のような流麗なアコースティック・ギターの旋律とささやくように歌うヴォーカルが交錯するさまは圧巻で、その美しさに魅了される。
07ANOTHER TRAVELIN' SONG
“これから新しい旅の歌を作るんだ”と歌う、楽しいムードを描いたロードムービー・ナンバー。カントリー調をベースにしたギターやバンジョーが入り乱れるカラフルで明朗なサウンドは、古き良きアメリカを思わせる。
08LAND LOCKED BLUES
つま弾くような静かなギター・ストロークとコナー&エミルー・ハリスのデュエットで構成される、ブライト・アイズ流ブルース。音数の少なさが、コナーとエミルーのハーモニーの美しさを最大限に引き立たせている。
09POISON OAK
静かなアコースティック・ギターの旋律と穏やかなヴォーカルで幕が開け、中盤からは力強いバンド・サウンドに転じるドラマティックなナンバー。内省的な詞を語るように歌うヴォーカルは迫力に満ちており、心に染みる。
10ROAD TO JOY
ドからソまでの音階の上げ下げを繰り返すシンプルなメロディのイントロに始まり、後半からは音数が増えてアグレッシヴになる展開がユニーク。自分の暮らしのことを語りつつ、平和への願いを絶唱するヴォーカルは、共感を呼ぶ。
[Disc 2]
01LUA
全米シングル・チャート1位を獲得したナンバー。アコースティック・ギターの瑞々しい旋律とコナーのささやくような優しいヴォーカルのみで構成された穏やかな楽曲で、シンプルながらも強く心に響く。
02WELL WHISKEY
03I WOKE UP WITH THIS SONG IN MY HEAD THIS MORNING
04TRUE BLUE